モバイルバッテリーの機内持ち込み制限を緊急追加、空港で廃棄の乗客も―中国メディア

Record China    2025年6月29日(日) 22時0分

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中国当局は26日、乗客のモバイルバッテリーの機内持ち込みの規制を追加する通達を発表した。適用初日の28日には各空港で、新たな規制を知らずに空港でモバイルバッテリーを廃棄した乗客もかなり多くいた

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中国政府で民間航空輸送を所管する中国民用航空局(民航局)は26日、乗客のモバイルバッテリー(携帯端末用充電器)の機内持ち込みの規制を追加する通達を発表した。適用初日の28日には空港で、新たな規制を知らずに所有するモバイルバッテリーを廃棄した乗客もかなり多くいた。中国メディアの新京報道などが伝えた。

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これまでにも、機内に持ち込むモバイルバッテリーについては、定格充電量に関する制限があった。新たな規制では「3C認証」の表示がなかったり不明瞭であるもの、リコールの対象になったロットの機内持ち込みが禁止された。「3C」とは、中国政府が定めた工業製品の安全性についての認証制度だ。

上海虹橋国際空港の安全検査場(機内持ち込み荷物検査場)では、8日午前7時ごろ、民航局が定めた新たな規制を紹介する案内板が掲示されていた。検査関係者は、今のところ乗客が持つモバイルバッテリーを強制的に検査することはなく、乗客本人に自分が持つモバイルバッテリーが新たな基準を満たしているかどうか確認するよう促すにとどめていると説明した。基準を満たさない場合には、自主的に廃棄するか家族に渡す、あるいは宅配便で発送する方法があるという。

現場には自主的に廃棄したモバイルバッテリーを入れる大きな入れ物が用意されたが、28日午前8時ごろまでには、廃棄されたモバイルバッテリーは入れ物3つ分ほどの多さになった。


宅配便業者のモバイルバッテリーの運送請負について基準を設けているが、業者によって基準は異なる。ある業者のスタッフは「モバイルバッテリーについては陸路輸送だけを行います」「いつ禁止されるかは分かりません。午後かもしれませんし、明日かもしれません」と説明した。業者によってはすでに使用中のモバイルバッテリーの運送請負を停止し、未開封の商品を商業目的で発送する場合にのみ受け付けている。

中国では2025年になってから、国内航空線でモバイルバッテリーが発火または発煙する事故がしばしば発生しており、件数は前年同期と比べて倍増している状態という。3月には浙江省杭州発香港行きの便内でモバイルバッテリーに不具合が起きて福建省の空港に緊急着陸した。6月には河南省鄭州発広東省揭陽行きの便で類似の事態が発生した。

モバイルバッテリーについては3C制度を所管する国家市場監督管理総局が最近になり、メーカー14社に対する3C認証を取り消した。このことなどで、安全面でのリスクが浮き彫りになった。

中国民航科学技術研究院の危険品センターの楊強主任は、航空機内でモバイルバッテリーが自然発火した場合、「客室は密閉空間であり、消火設備も限られており、有毒ガスの拡散リスクも高い」として、対処は地上よりもはるかに難しいと指摘した。楊主任はさらに、「新たな規則によって3C認証とリコール品管理を実施すれば、90%以上の安全リスクを排除できます」と説明した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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