江蘇衛星テレビでオンエア予定だった中国時代劇ドラマ「長安的茘枝」の放送が急きょ変更され、原因として同作に出演している女優ナーナシ（那爾那茜）の大学受験をめぐるトラブルが報じられた。

「長安的茘枝」は7日に国営テレビ・中央電視台（CCTV）で放送開始した話題作。江蘇衛星テレビでは24日にオンエア予定だったが、当日の同時間帯には別の映画が放送されており、25日午後には「長安的茘枝」に代わって、リー・イートン（李一桐）とリウ・ユーニン（劉宇寧）主演の時代劇ドラマ「書卷一夢」の放送を発表した。

このほど「長安的茘枝」に出演しているモンゴル族の女優ナーナシの受験トラブルが報じられ、卒業後に大学指定の勤務先への就職を条件にした「定向委培」制度に違反したとされていた。また、21日には内モンゴル自治区の関係機関が調査の結果、ナーナシは同自治区で大学入試の統一テスト「高考」を受験しているものの、自治区内での就学記録は確認できないと発表。「高考」では一部の省・自治区の合格ラインが低く設定されているが、それを狙って受験する「高考移民」は違法とされている。

この発表後の22日に中央電視台の「長安的茘枝」のキャスト一覧からナーナシの名前が削除された。また、26日の時点では動画配信サービス・騰訊視頻（テンセントビデオ）で「長安的茘枝」が配信作品リストに残っているものの、キャスト紹介からナーナシの名前が消去されている。

ナーナシは人気シリーズ映画の2作目「封神・激闘！燃える西岐攻防戦」で注目されたが、シリーズの最後を飾る3作目はすでにクランクアップしており、俳優ウー・ジン（呉京）が主演・プロデュースし、制作費5億5000万元（約110億円）を投じた武侠映画「鏢人」にも出演しているため、今後の作品への影響も注目される。（Mathilda）