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中国はドローンによるセンチメートル級の南極氷崖の崩壊観測を実施した。
中山大学は中国極地研究センターの研究チームと共同で、多時相ドローン画像協調位置合わせと3次元変化検出方法を革新的に考案した。これにより、南極氷崖が崩壊する過程のセンチメートル級3次元精密モニタリングを実現した上、地上の雪穴観測に基づき、氷崖の崩壊量を定量的に評価し、地球規模の気候変動下における南極氷床の質量損失評価のための新たな観測手段とデータ支援を提供している。この成果はこのほど、地球科学分野の著名学術誌「International Journal of Applied Earth Observation and Geoinformation」に掲載された。科技日報が伝えた。
南極の氷体は主に海に「浮かぶ」氷棚や岩盤に「付着する」接地氷などで構成されている。氷棚が大規模に崩壊し海に流れ込むような壮大さはなく、氷崖の崩壊が静かに進行する場合が多い。論文の筆頭著者で中山大学測量科学・技術学院の張書航(ジャン・シュウハン)准教授は、「氷崖は小規模で高頻度かつ不規則に崩壊することから、従来の衛星リモートセンシングでは時空間分解能の制限を受け、その崩壊過程を詳細に観測することが困難だった。精密なスケールの氷崖崩壊過程の定量的モニタリングは常に、国際極地氷河学研究分野の技術的難題だった」と説明した。
中山大学測量科学・技術学院の鄭雷(ジョン・レイ)教授は、中国第38次南極観測期間中、秦嶺基地周辺で大量の貴重なデータを収集した。26日間で合計10回のドローンによる繰り返し撮影・測量・観測を実施し、空間分解能は2.1センチメートルに達した。また、12カ所の雪穴データを採取し、氷崖付近の粒雪層の厚さや密度などの重要パラメータを詳細に記録した。研究チームは関連アルゴリズムにより、統一された参照系で異なる時間に取得したドローン映像の位置合わせを行うとともに、実地の雪穴測量データと組み合わせることで効果的に浮氷と積雪の影響を除去し、44回の氷崖崩壊を識別した。0.89キロメートルの海岸線沿いにおいて累計崩壊体積は計4506.69立方メートル、総崩壊量は3078.45トンに達した。研究では、同地域における氷崖の1日当たり崩壊速度が1キロ当たり262.93トンであると推定されている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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