中国が世界のインフルエンサーを招待、「クールチャイナ」発信へ―シンガポールメディア

Record China    2025年6月26日(木) 7時0分

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シンガポールのCNAは23日、「パンダよりも効果的」と題し、中国が世界の若いインフルエンサーを通じて「よりクールな中国」を発信しようとしているとの記事を掲載した。

シンガポールのCNA(アジア・ニュース・チャンネル)は23日、「パンダよりも効果的」と題し、中国が世界の若いインフルエンサーを通じて「よりクールな中国」を発信しようとしているとの記事を掲載した。

記事によると、世界の舞台における自国のイメージを再構築する取り組みの一環として、中国の関係機関は世界中の若いインフルエンサーを10日間の「中国ツアー」に招待する予定だという。彼らは中国のコンテンツ制作者と協力しながら、中国文化を深く体験し、フォロワーに「本当の中国」を紹介していく。

オーストラリア・シドニー大学で中国を専門とするメディア・コミュニケーション学の講師を務める李梅(リー・メイ)氏は「インフルエンサーはより生き生きとした中国の姿を示す助けになる。政府系メディアや外交官、エリートのコメンテーターが発するメッセージよりもオーディエンスの共感を呼びやすい。政治的代弁者ではなくリアルな個人として見なされることが多いためより高い信頼を得られ、情報や文化を伝える上で信頼性の高い媒体となり得る」との見方を示した。

オーストラリア・カーティン大学のデジタルマーケティング学科の程明明(チョン・ミンミン)教授は「こうした戦略はいわゆる『パンダ外交』よりもはるかに効果的だ。中国政府に招かれて行くとしても、発信する内容は彼ら自身が制作したものになるからだ」と述べた。

中国外交部の林剣(リン・ジエン)報道官は12日の会見で、「よりリアルで立体的で多面的な中国の姿が、ますます多くの人に知られている。中国はより広範な開放、より広い視野でのイノベーション、より深いレベルでの協力を通じて、世界とより多くのチャンスと恩恵を共有し、各国の人々に“ますますクールな中国”を体感してもらえるようにしていく」と表明していた。

インフルエンサーが影響力を発揮した例としては、米国のブロガーIShowSpeed(アイ・ショー・スピード。中国では甲亢哥)氏が挙げられる。スピード氏は今春に中国旅行を開始し、重慶上海成都、北京などの主要都市で動画撮影やライブ配信を行った。中国の高速鉄道やデジタル決済アプリなどの先進技術を紹介し、最先端の電気自動車(EV)を試乗するなどして、フォロワーたちの中国に対する強い関心を呼び起こしているという。

李氏はスピード氏について「彼は中国を訪れた最初の欧米のインフルエンサーというわけではないが、注目を集めている。時にZ世代の視聴者がそうだが、世界の人々に対して中国の日常生活を知るための『もう一つの窓』を開いたことは間違いない」と説明。「彼が発信するのは欧米の主流メディアの報道とは異なる。中国社会の中で欧米メディアに見過ごされがちな側面を紹介し、中国の日常や活気、現代性を浮き彫りにしている」と評した。

記事によると、スピード氏が注目を集めたことを受け、中国はさらに多くの若い外国人インフルエンサーを招待する計画を進めている。世界青年発展フォーラムなどが主催する中国と海外のインフルエンサーの交流イベントは7月にスタートする予定で、蘇州、上海、深セン、北京などを巡るという。

ただ、参加するインフルエンサーにはいくつかの条件を満たすことが求められる。年齢は35歳以下、SNSのフォロワー数が30万人を超えていること、中国文化への愛着があること、そして過去に不適切な行為を行っていないことなど。李氏は「中国は巨大な人口規模を有しており、影響力を拡大しようとするインフルエンサーにとって大きなチャンスになる」と指摘。「1人のインフルエンサーだけですべてがうまくいくわけではないが、彼らが最初の火を灯すことで人々の持続的な交流や相互理解へとつながる」と述べた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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