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江蘇市の農場は自動運転コンバインを導入し、麦の収穫率が7割以上向上した。
夏の麦の収穫期を迎えた江蘇省鎮江句容市茅山鎮何荘村のスマート農場では、キャタピラー式コンバイン3台が麦畑を行き来して、収穫作業を行っている。人民日報が伝えた。
「ゴーン」と音を響かせるコンバインの前方で大きく口を開いたような幅約2メートルのヘッダは1秒当たり8キロの麦を収穫することができる。収穫されると、コンバインに搭載されているドラム式の脱穀機ですぐに麦の穂から粒が外され、内部のファン2台がずっしりした麦の粒を長さ約2メートル、深さ約1メートルの「おなか」の中へと飲み込んでいく。軽い麦の殻とわらは、吹き飛ばされたり、粉砕されたりして、コンバインの後ろ側のパイプから外へ吐き出され、畑の肥料となる。
この農場の夏の収穫を請け負っている句容春田生態農業発展の夏洪宇(シア・ホンユー)総経理は、「ここはスマート農場で、この3台は自動運転コンバイン」と話しながら、設置されているパネルしかなく、操縦者のいない操縦席を見せてくれた。パネルには1350ムー(1ムーは約6.7アール)の麦畑が24分割され、はっきりとした境界ラインが表示されていた。コンバインは既定のルートに沿って収穫していく。
各農場の条件に完全にマッチする既製のコンバインを市場で見つけることはできない。そのため、夏総経理は3台の自動運転コンバインについて、「坂を上るパワーの強いキャタピラー式コンバインを購入した。自動水平機能とスピンターン機能が付いているので、丘陵や山地での作業に適している。ただ、それだけでは全く足りず、一連の改造も行った」と説明する。
では、自動運転コンバインはどんな仕組みで動くのだろうか?夏総経理によると、自社でアプリを開発し、それを使ってルートを設定することで、コンバインのコントロールシステムが操作コマンドを受信し、自動でハンドル操作やギアチェンジが行われ、コンバインが動き出すのだという。
「かしこい」自動運転コンバインは、その作業状況もはっきりと把握することができる。コンバインにはキノコのような形のアンテナが3本ついており、北斗衛星測位システムを通してリアルタイムで位置測定ができる。また、コンバインには五つのカメラが付いており、周囲の状況を確認でき、トラブルが発生した時には緊急停止ができるようになっている。その他、ヘッダとタンクには圧力センサーが搭載されており、収穫量を検知し、タンクが満タンになると自動で測位システムがトラックの位置と傾斜角度を確認し、自動で収穫した麦をトラックに移すことができる。
先進的な農機を導入すると、農業生産にどんな益がもたらされるのだろうか?夏総経理は「従来の作業員によるコンバイン操作と比べると、絶対速度という面では、自動運転コンバインには特に強みはないものの、24時間連続で作業できるメリットがある。1日フル稼働すると約200ムーを収穫でき、作業員が8時間作業するのと比べると効率が70%以上向上する。また、自動運転コンバインは、曲がり角でも、小麦を踏んだり、刈り忘れをしたり、収穫物をこぼしたりしないため、収穫の損失を少なくとも50%減らすことができるほか、人件費を3分の2削減できる。以前、コンバイン3台に操縦者は3人必要だった。でも、今は1人で全てを管理できる」とそろばんをはじく。
収穫の効率が上がると、受注できる作業も増える。夏総経理は「自動運転コンバインは引っ張りだことなっている。浮いた時間を使って、安徽省や江西省、湖北省などに行って収穫作業をすることができる」と話す。
自動運転コンバインはスマート農場の作業自動化の一環だ。夏総経理によると、高い基準の田畑建設やAI技術を応用した合理的な管理を通して、虫害の発生状況や作物の生長状況を自動で認識し、農機の作業の質をモニタリングして、小麦の1ムー当たりの生産量が250~500キロ増え、効果的に栽培できる面積も目に見えた広くなった。それに、浮いた人件費や、他の地域にいって作業して得た収入を加えると、4年で投資を回収できるという。
句容春田生態農業発展の従業員・駱志堯さんは、「私たちは新米の農家。暑い日に田畑で汗だくになる必要はなく、クーラーのきいた部屋で、コンバインを操作して、収穫を進めることができる。これは、先進的な農機がもたらしてくれた最大の獲得感」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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