拡大
上海市内で開催された第27回上海国際映画祭で審査員特別賞を受賞した「夏の砂の上」の上映会に姿を見せた主演のオダギリジョーは、玉田真也監督との「意見の食い違い」についての裏話も披露した。
(1 / 2 枚)
上海市内で20日午後、第27回上海国際映画祭で審査員特別賞を受賞した「夏の砂の上」の上映会および玉田真也監督と主演のオダギリジョーの舞台あいさつや記者会見が行われた。同作品は舞台劇を原作にするが、玉田監督は、映画の場合の作品づくりの違いなどを説明した。共同プロデューサーも務めたオダギリジョーは、監督との「意見の食い違い」についてのエピソードも披露した。
【その他の写真】
「夏の砂の上」の日本全国公開は7月4日で、上海国際映画祭では世界初上映された。オダギリジョーは中国でも知名度が高いこともあり、上映会場にファンがつめかけたほか、多くの中国メディアが玉田監督やオダギリの発言を詳しく紹介した。
「夏の砂の上」は読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した松田正隆の同名舞台劇を原作としている。玉田監督は早くから演劇活動に力を入れており、舞台劇の映画化にも取り組んで来た。劇場公開長編作としての初監督作の「あの日々の話」も、自らの舞台劇を原作にした作品だった。
玉田監督は「夏の砂の上」を例として、舞台劇の映画化について、「元の舞台劇は主人公の小浦治の部屋だけという単一空間で、場面転換もなく、俳優が台詞と演技で物語を観客に届けました。しかし映画では監督が場面や映像を選び、俳優がそれを通じて物語を演じなければなりませんでした」と説明した。
「夏の砂の上」で、オダギリジョーが演じる小浦治は、幼い息子を洪水で失い、勤務する造船所の閉鎖が閉鎖され妻にも去られて人生のどん底に落ちるが、めいとの交流を通じて再び人生の希望を見いだし、生きる意欲を取り戻していく。小浦は最後に、大雨の中で雨水を飲みながら感情を解き放つ。玉田監督は、「ラストの雨は息子が死んだ日と同じほどの強さですが、雨の意味はまったく異なり、人生の歯車が再び動き始めたことを象徴します」と説明し、作品中の雨は、「死をもたらすものでもあり、生まれ変わるものでもあります」と述べた。
「夏の砂の上」で、オダギリはプロデューサーも務め、撮影の合間には編集や音響効果にも関わった。オダギリは「私自身も監督や撮影作品を手掛けています。今回は編集助手として、あるシーンをもっと早く切り替えたほうがよいなどと監督に建設的な意見を伝えたのですが……」などと作品づくりの過程で監督との「食い違い」もあった裏話も披露した。オダギリは、「最終的には監督の意見が優先されたました」と説明した。
オダギリは好んで文芸作品に出演してきており、商業映画にはあまり出演していない。日本で文芸作品は、小規模な映画館で上映されることが多い。「夏の砂の上」も、まさに文芸作品だ。オダギリは、文芸作品に多く出演してきたことについて、「これは個人的な好みです」などと説明した上で、「観客が小規模映画館に来ていただき、こうした文芸作品を見ていただけば、商業映画が独占する状況を変えられます」「エンタメ作品があらゆる人に好まれるわけではありません。もし観客が違う味を求めるのなら、この映画は良い選択肢になります」などと述べた。
オダギリは「夏の砂の上」で妻役で共演した松たか子の演技について「非常に特別な一面を見ることができます。感情を見事にコントロールしたラストシーンは本作の中でも最高のシーンの一つだと言えます」などと絶賛した。オダギリは松たか子としばしば共演している。「夏の砂の上」では関係がよくない夫婦を演じたが、実生活では「共に戦う仲間のような友人です」と説明した。(翻訳・編集/如月隼人)
Record China
2025/6/22
Record China
2025/6/21
Record China
2025/6/20
人民網日本語版
2025/6/20
Record China
2025/6/20
Record China
2025/6/20
この記事のコメントを見る