一度に99人の子どもを出産?中国ショートドラマの「狂気性」―シンガポールメディア

Record China    2025年6月21日(土) 14時0分

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19日、シンガポールメディア・聯合早報は、急速に成長する中国のネットショートドラマ産業において「一度に99人の子を生む」などあまりにも奇抜なストーリーが問題視され始めていることを報じた。

2025年6月19日、シンガポールメディア・聯合早報は、急速に成長する中国のネットショートドラマ産業において「一度に99人の子を生む」などあまりにも奇抜なストーリーが問題視され始めていることを報じた。

記事は、中国のネットショートドラマが1話わずか2、3分で全編を一気に視聴できること、大胆なストーリー展開が多いことなどから、ネットユーザーの間で広く人気を博していると紹介した上で。今月14日に主要プラットフォームで配信開始された短編ドラマ「麒麟送子天降喜福」の度を超えた奇抜なストーリー設定が物議を醸したことを伝えた。

この短編ドラマは、皇帝と一夜をともにした主人公の女性が宮外で一度に99人の息子を産み落とし、朝野を震撼させるという物語であり、現実世界では考えられない異常な出産を経験した主人公は家族から非難されるだけでなく、嫡母や姉からの排斥を受け、さらに国師が仕組んだ罠にはめられ、子供たちは妖怪扱いされるという内容だった。

記事は、一度に99人を出産する荒唐無稽なストーリーに対してネットユーザーからは「ゴキブリですらそんなに多くの子どもを産まないのに、ショートドラマはこんなストーリーまで作ってしまうのか」「監督の考えが理解できない」「ハチャメチャな内容なのに、脚本家は書くことを恐れず、役者は演じることを恐れず、配信者は放送することを恐れない」といったコメントが見られたと紹介している。

そして、大きな波紋を起こした同作品は早くも配信開始の翌日に削除されたものの、中国の主要メディアは今なお批判を展開し続けていると指摘。新華社傘下の「半月談」誌は17日に署名入りの評論を掲載し「大衆のストーリーに対する寛容性は、基本的な科学的常識からの乖離(かいり)や倫理的規範の逸脱による捏造を許容するものではない」としたほか、今回物議を醸してからようやく削除する流れになったことについても「規制の遅れという現実的な問題を再び露呈した」と断じ、当局やプラットフォームによる審査体制の強化を求めたと伝えた。

また「人民網」も17日に署名入り評論の中で「激しい競争の中で良質なショートドラマが頭角を現す一方で、トラフィック獲得の爽快感ばかりを狙って事実や論理を無視し、低俗なストーリーや奇妙な内容で人目を引こうとしている」と批判し、「新京報」もトラフィック至上主義の論理を「危険な逸脱」とした上で、ショートドラマ産業に「悪貨が良貨を駆逐する」現象を巻き起こし、業界全体の風潮を歪める恐れがあると論じたことを紹介した。

記事は、中国のショートドラマ市場が継続的に拡大しており、2027年までに市場規模が1000億元(約2兆円)を超えると予測されていることを紹介する一方で、この業界も現在「無秩序で野蛮な成長」という中国の新興分野にありがちな発展の経路をたどっており、社会各界の許容範囲の限界を段階的に試している状況だと指摘。当局が市場の是正に重い腰を上げるのは時間の問題だろうと論じた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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