中国の太陽光企業トップ、過剰生産能力の解消呼び掛け、悲観的な声も―海外メディア

Record China    2025年6月21日(土) 6時0分

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中国の太陽光関連機器メーカーは業績が悪化。経営トップは価格競争の終息や過剰生産能力の解消を呼び掛けているが、業界関係者の間からは悲観的な声も出ている。 写真は天合光能。

中国の太陽光関連機器メーカーは業績悪化に加え、米国トランプ政権による高関税政策も重なって深刻な経営状態にあり、ロイター通信は「経営トップは価格競争の終息や過剰生産能力の解消を呼び掛けている」と報じた。しかし、業界関係者の間からは問題の解決には時間がかかると将来に悲観的な声も出ている。

ロイター通信によると、ソーラーパネル・太陽光発電大手、天合光能(トリナ・ソーラー)の高紀凡会長は13日に上海で開幕した第18回SNEC国際太陽光発電・スマートエネルギー展覧会で、太陽光発電機器メーカーはバリューチェーンの損失が昨年400億ドル(現レートで約5兆8000億円)に達し、他の事業も含めた業界全体の損失は600億ドルに上ったと明らかにした。

中国の政府と業界は、ほとんどのメーカーが赤字化する要因となった過剰生産能力と競争激化に対処しているという。

高氏によると、中国の経済政策の司令塔である国家発展改革委員会(NDRC)は2月のオンライン会議で新規製造を禁止する方針を打ち出したが、それでもこの数カ月間に新たな製造拠点が建設された。

トリナ・ソーラーは足元で太陽光関連機器製造が事業全体の3分の2を下回っており、今後はプロダクトソリューションやエネルギーストレージなどの分野に一段と注力。この比率を向こう2、3年以内に50%以下に引き下げる計画だ。

太陽光パネル大手GCLの朱共山会長も事業合併を通して業界全体を刷新し、生産能力を減らすよう訴えた。同時に中国は関税やその他の貿易障壁に対応する中で単一市場への依存から脱却しつつあり、海外で新たな市場が成長していると指摘した。 一方、展覧会に参加した複数の関係者は太陽光関連製品の価格が年内に持ち直すことはないとみている。

中国東部に拠点を置く太陽光パネルメーカーの幹部は「需給をバランスさせ、価格を支えるには大規模工場2、3カ所で生産を停止する必要があるが、近いうちに実現する可能性は低い」と述べた。別の太陽光パネルメーカーの関係者も「過剰生産能力の問題はあまりにも深く、底が見えない」と悲観的な見方を示した。

中国政府は太陽光パネルをEV(電気自動車)やリチウムイオン電池と並んで「新三様」(新三種の神器)と位置付け、強力に支援。地方政府ごとに太陽光発電の導入目標を設定し、メーカーには工場建設への補助金などを支給し、この政策によってメーカー同士の競争は激しさを増して中国での生産は世界の8割を占めるまでに拡大した。

その反動で中国の太陽電池主要7社の2024年12月期決算で最終損益の合計が比較可能な17年以降、初めて赤字に転落。中国企業の需要を大幅に上回る供給により市況が悪化したのが原因だ。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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