中国の自動車業界で「走行距離ゼロの中古車」がまん延、その背景は―中国メディア

Record China    2025年6月19日(木) 16時0分

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18日、IT時報は、中国で納車されたばかりの新車が「走行距離ゼロの中古車」として販売される現象が多発していることを報じた。

2025年6月18日、中国メディアのIT時報は、中国で納車されたばかりの新車が「走行距離ゼロの中古車」として販売される現象が多発していることを報じた。

記事は、上海市にある中古車取引センターで調査を行ったところ「走行距離ゼロの中古車」が在庫の約1割を占める実態が判明し、例えば新車価格29万8000元(約590万円)で発売され今年3月にナンバーを取得したばかりの蔚来(NIO)の2024年式「ET5T」が中古車として18万5800元(約370万円)で販売されていたほか、社員が13〜14万元(約260〜280万円)で内部購入した上で転売していたことが分かったと紹介。他のメーカー車種でも同様の状況が発生しており、「走行距離ゼロの中古車」の出どころはディーラー試乗車、メーカー在庫車、インフルエンサー所有車などさまざまだと伝えた。

また、消費者にとっては、保証期間の短縮や購入者特典が受けられないといったデメリットがありながらも、新車同様の「中古車」を新車より10〜30%安く購入できるメリットがあり、ディーラーにとってもメーカーからのリベート獲得や販売目標達成という目的があるため、「走行距離ゼロの中古車」市場が成り立っていると説明した。

そして、「走行距離ゼロの中古車」が出現した背景として、中国自動車市場の激しい内部競争とそれに伴う深刻な在庫過多に直面するメーカーが、在庫をさばいて売上を増やす必要に迫られていること、欧州に輸出する際に新車に課せられている排出ガス基準などの規制を回避すること、新車に課される輸入関税を回避して中央アジアや中東地域へ輸出しやすくすることなどを挙げた。

その一方で、このような手法は新車販売実績を「作る」ことにつながり、実態とはかけ離れた販売データが消費者に誤解を与えかねないほか、消費者の想定以上に資産価値が下落する状況が発生する可能性も指摘されていると伝えた。

記事は、業界にまん延しつつある「走行距離ゼロの中古車」に対して中国政府が規制に動き出した可能性があるとし、商務部が5月末に「走行距離ゼロの中古車」現象と中古車流通促進に関する会議を開催したとの情報がネット上で拡散したと紹介。業界の課題解決には、政府が中古車の登録・転売監視を強化し、メーカーが販売台数偏重から品質・サービス重視へ転換する必要があるとともに、消費者も価格だけでなく製品の品質やサービス保証をより厳しく見極めることが必要との見方を伝えている。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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