「車輪式鉄道、例えば高速鉄道の最高速度は時速400キロが限界だが、新世代の磁気浮上システムは時速600キロが出発点。今後10年から20年の間に、中国人が完全に自主開発した時速600キロ超のリニア列車に乗る日が来るだろう」と語るのは、湖北東湖実験室の李衛超主任です。

湖北省武漢市で16日、同実験室が独自開発した「1キロ高速磁気浮上試験線」の初の公開デモンストレーションがおこなわれ、重さ1030キロの試験車が時速650キロを記録し、類似の試験設備としては世界最速となりました。

全長1キロの試験線は、まるで地面に横たわる龍のようで、南端から発進した試験車は電磁力によって急加速し、わずか7.1秒で時速650キロに達し、10秒後には北端で停止しました。この間の加速度は最大8Gに達し、戦闘機パイロットが耐えられる限界に匹敵します。

この驚異的なスピードの理由は、車体とレールが「同極反発」の電磁力で物理的に接触しないため、摩擦がなく、空気抵抗のみを受けて加速できる点にあります。

試験線の最終目標は時速800キロで、年末までに建設を完了し、検収予定です。完成後はオープンで協力的な実験プラットフォームとして、高速環境での各種試験が実施されます。

また、この技術は超高速輸送だけでなく、宇宙ロケットや低空経済、遊園地施設など、さまざまな分野への応用が期待されています。

湖北東湖実験室は、新エネルギー船舶や航空宇宙、スマートマイクログリッドなどの分野でも成果の実用化を進めており、これまでに四つの技術革新センターと10の試験プラットフォームを構築しています。（提供/CRI）