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日本で古古古米が市場に放出されたニュースは中国でも注目を浴びた。資料写真。
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昨今、懲りることないのがお米の話題だ。日本で古古古米が市場に放出されたニュースは中国でも注目を浴びた。「おにぎりの自由」にさえ事欠く状態で、果たして4年前の備蓄米にビンテージ米の称号を付けるのは適切なのだろうか。
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梅雨の季節、日本政府は備蓄していた2021年産の古米12万トンを市場に放出した。これが中国語圏のSNSもざわつかせることになる。微博(ウェイボー)では「#日本投放12万吨2021年的大米#」なるハッシュタグが浮上し、日本のコメ供給にまつわる話題への関心の高さを示すこととなった。
中国には「○○荒」という言い回しがある。卵が足りなければ「蛋荒」、人手が不足すれば「人材荒」といった具合だ。そして今、日本は「米荒(コメ不足)」のただ中にある。日本の制度的な供給脆弱性が、4年前に収穫した古米の放出という象徴的なエピソードを通じて可視化されたといえる。
日本で報じられる米不足の要因として、インバウンド需要の増加や買い占め、転売行為などの存在が取り沙汰されることもある。しかし、こうした事象は部分的なものに過ぎない。戦後の食生活の変化といった事情も複雑に絡み合った食糧供給事情の中でも、問題の核心はやはり田んぼの問題にありそうだ。
というのも、1970年代から続いた減反政策の影響で、コメの作付面積は半世紀で40%以上も縮小したという。2023年には124万4000ヘクタールにまで減り、生産量も661万トンに落ち込んだ。さらに驚かされるのは、カロリーベースの食料自給率がわずか38%だという事実だ。飼料なども含めた輸入依存度の高さを踏まえると、実質的な自給率はさらに低く、主要先進国の中で最下位水準にある。
一方の中国はというと、米の生産量は 2億1400万トン(2023年)と日本の30倍以上もある。コメ大国と言われたはずの日本は、中国と比べれば「準・小国家」の存在にすぎない。GDPの差だけでなく、米に関する備えの格差が日中間でここまで広がっていることは見過ごせない。
ちなみに日本には「コシヒカリ」や「あきたこまち」、最近では「ゆめぴりか」といった耳に心地よい名前のブランド米がある。1キロ当たり800~1200円の世界だ。ブランドは地域性、つまり「テロワール」で語られる。
中国ではどうかといえば、南部を中心にインディカ種が一般的で、粥やチャーハンなどの食文化と結びついている。一方で東北地方の「五常大米」「盤錦大米」などジャポニカ種も名をはせる。なかなかのプレミアム米だが、新米の価格は「盤錦大米」が5キロで35元(約700円、京東アプリ参考)と、日本の古古古米の3分の1程度だ。
古古古米に対する新たな名称を求めたいと語った農相の発言にネットが反応し、日本国内のSNSが大喜利状態となった話題についても言及しておこう。ウイットとユーモアに富んだ呼称案はどれも目を引く。「ナナヒカリ」「前前前米」「郵政二の米」といったアイロニーに満ちたものも少なくない。
これらは単なるジョークではない。備蓄米を「ビンテージ米」と称して流通させるマーケティングへの反発、そして「おにぎりの自由」が脅かされている現実への静かな抵抗と見てよいかもしれない。1杯のご飯を巡るさまざまな違和感や不満を笑いに変えるネットユーザーの気概はむしろ健全な感性の証として歓迎してよいのではないか。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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