河南省、人型ロボット産業に照準―中国

人民網日本語版    2025年6月17日(火) 20時30分

拡大

河南省はロボット産業分野で頭角を現している。写真は人の表情をまねするロボット。

生き生きとした表情、自然で滑らか歩き方、お茶を運んだり入れたりする動作が安定しており、リフティング技術は神技の域に達している。河南省科学院にある中豫エンボディドAI実験室を訪れると、形態が異なるロボットが多様なシーンでそれぞれの腕前を披露し、河南省のエンボディドAI分野における革新的活力が見られた。人民網が伝えた。

エンボディドAIとは何か。これは未来産業の重要な方向性であり、AIをロボットに融合させることで、環境認識、自律的な意思決定、正確な実行能力を持たせ、産業やサービスの現場で人間と協働できるエージェントのことを指す。簡単に言えば、エンボディドAIは従来のロボットに「脳」と「筋肉」を与えることで、魅力的な内面と美しい外見を兼ね備えた存在になるということだ。

同実験室の李清都(リー・チンドゥー)執行室長は、「エンボディドAIの本体・小脳・大脳という3つの中核問題に焦点を当て、実験室はバイオニック駆動制御、マルチモーダル大規模言語モデル、ロバストな感知インタラクションなどの重要技術の開発に取り組み、従来型ロボットの効率や安全性が低いといった問題を解決した。『行者2号』を例にすると、この人型ロボットの身長は170cm、体重はわずか32kgで、航続時間は6時間にも達する。主に人間の腱を模した駆動方式を採用し、脚部にはロープ駆動技術を用いている。これにより軽量かつ高出力で、動きがより柔軟になり、業界初の技術だ」と説明した。

中豫エンボディドAI実験室から今年、1000台近くの「河南製」エンボディドAIロボットが導入される予定だ。これらのロボットは動力用バッテリーの分解を行う「環境守護者」、スマート農業を支援する「田畑の管理者」、さらにはスマート農業をサポートし、さらには業界を跨ぎ「俳優」として中国初の舞台作品「巨物之城」に出演するなど、製造、農業、文化クリエイティブなどの多分野で、科学技術が産業にもたらす新たな展望を示している。

穀倉地帯として知られる河南省は、なぜロボット産業分野で頭角を現しているのだろうか。

産業発展の観点から見ると、河南省は人口が多く、応用シーンの開拓やデータ収集で生まれつきの優位性がある。産業基盤としては、省内のロボット産業が急成長している。50社以上の主要企業が完成品、中核部品、システム統合などの分野を網羅し、減速装置やセンサーなどの中核部品ですでに一定の産業基盤があり、一部製品は国産化の実現も見込まれている。

「人型ロボット産業研究報告」の予測によると、中国の人型ロボット市場規模は2029年には750億元(約1兆5000億円)に達し、35年には3000億元(約6兆円)を突破する可能性があるという。

チャンスをつかみ、先を見据えた計画を立てる。24年8月30日発表の「河南省エンボディドAI産業発展行動計画(2024−27年)」は、技術、産業、市場の発展を統合的に推進し、人型ロボットをけん引役として、エンボディドAI産業のイノベーションを急ぐことを明確にした。同時に「河南省『AI+』行動推進計画(2024−26年)」などの政策が関連の支援提供を保証している。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

この記事のコメントを見る

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携