中国メディアの環球時報によると、中国のトレンドやぜいたく品市場を分析する米ウェブサイトのジンデイリーはこのほど、自転車が中国の若者の社交における新たなシンボルになっているとする記事を掲載した。

記事によると、上海や北京では、裕福な若い人々が通勤手段を地下鉄から高級ロードバイクに変更し、自転車通勤を実用的な交通手段からSNS向けのライフスタイルステートメントへと変えつつある。

中国版インスタグラムとも呼ばれる小紅書（レッドノート）では、サイクリング関連コンテンツの閲覧数が10億を超えるほど人気で、厳選されたファッションのインスピレーションや高級な道具であふれている。このデジタルファーストのサイクリング文化が、新世代の国産高級ブランドを生み出し、中国の若い消費者の都市交通に対する考え方を変えつつある。

2015年に中国市場に参入したサイクリングウエアブランド、パスノーマルスタジオの経営幹部によると、中国のサイクリング市場は、消費者の観点からもビジネスパートナーの観点からも力強い成長を遂げている。中国のインフラは、成長するサイクリング市場とトレンドを支えるために、改善と発展を続けている。

サイクリングは、中国のウェルネスムーブメントとコミュニティー主導の消費トレンドに後押しされ、中国本土全域で活発な社交活動として台頭している。これはスタイリッシュなランニングクラブやブティックピラティススタジオの台頭に似ている。この現象は、伝統的なステータスシンボルよりも体験やコミュニティーを重視する、裕福な若い中国人の間での幅広い変化を反映していて、この文化的変化は国内外のスポーツウエアブランドに大きなチャンスを生み出している。

サイクリング文化は、デジタルネイティブな消費者にけん引され、中国全土で包括的なライフスタイルムーブメントへと進化している。Stravaのようなプラットフォームは、ソーシャルサイクリングクラブを見つけてつながるために広く使用されており、WeChatのグループチャットは、サイクリングを計画したりヒントを共有したりするためのデジタル集合スペースとして機能している。

毎週のようにサイクリングイベントを企画するグループも多く、地元のサイクリストと外国人のサイクリストの交流拠点となっている。多くのブロガーが、高価な道具のスタイリングを披露しながら、サイクリングの様子を投稿している。スポーツウエアブランドと高級ブランドの両方にとって、こうしたコミュニティーとのコラボレーションには魅力的な機会があり、若い消費者の間では現実世界でのアクティベーションを体験したいという欲求が高まっている。サイクリングブームが拡大する中、先進的なブランドは、創造的で体験型のパートナーシップを通じて、地域社会への忠誠心と文化的関連性を築く機会を得ている。（翻訳・編集/柳川）