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中国で240時間のビザ免除政策が導入されて以来、外国人客の訪中スタイルが変化。中国文化を深く味わう「体験型観光」へとシフトし、陶磁器や中国伝統医学の体験が人気を集めている。写真は中国の外国人観光客。
中国で240時間(10日間)のトランジットビザ免除政策が導入されて以来、外国人観光客の訪中スタイルが変化している、と中国メディアが伝えた。かつての「立ち寄り観光」から、中国文化を深く味わう「体験型観光」へとシフト。陶磁器や中国伝統医学の(中医学)体験が特に人気を集めている。
中国通信社(CNS)によると、山西省景徳鎮市には工芸品マーケットの散策や陶磁器作り体験などを目的に多くの外国人が訪れている。2025年1月から4月の間に景徳鎮を訪れた外国人観光客は延べ8000人で、前年同期比27%増となった。
インドネシアから来たトゥティ・ハディプルナミさんは「インドネシア近海の沈没船から多くの中国陶磁器が発掘されたことに関心を持ち、景徳鎮を訪れてその源流をたどりたかった」と語った。
景徳鎮の陶溪川創意市集は外国人観光客の「必訪スポット」の一つ。週末には各国・地域から集まった職人たちが自作の作品を販売し、その中には中国の陶磁器技術と他国の文化を融合させたユニークな品も少なくない。
景徳鎮では職人の陶磁器制作を間近で見学できるほか、プロの指導で自ら絵付けや成形体験も可能だ。多くの外国人が袖をまくってロクロを回し、釉薬(ゆうやく)を塗り、自分だけの作品に熱中している。陶溪川の体験工房では1回当たり約200元(約4000円)でこのような仕事が楽しめる。
中医学に基づく「ウェルネスツーリズム」も訪中外国人の間で急速に人気を高めている。海南島南端の三亜市では温暖な気候と「冬の病を夏に治す」という中医学の理論を活用し、三伏貼(夏場に貼る温灸療法)、鍼灸(しんきゅう)、マッサージなど多彩な施術をサービス。寒冷地出身の観光客、特にロシア語圏からの旅行者に好評だ。
東北部の黒竜江省も国境の地理的優位を生かしてロシアからの旅行者を引き寄せており、鍼灸、推拿(整体)、中医薬などを提供し、慢性痛やリウマチなどの治療を行っている。統計によると、中国を訪れるロシア人旅行者のうち70%が中医学に強い関心を示し、5万人以上がリハビリや中医学、高度医療を受けるために来中しているという。
北京観光学会の監事長・蔡紅氏は「外国人観光客による中国への深掘り旅行は観光地の飲食、買い物、娯楽、教育、医療といった関連産業の発展をけん引するだけでなく、中国の生活様式や価値観、伝統的な習慣を体感する機会にもなる」と指摘。「これにより誤解や偏見を打ち消し、各国民の相互理解と友情を深めることができる」と強調した。(編集/日向)
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