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中国の深宇宙探査実験室の主任は、「当実験室の設置は宇宙強国を建設する上でカギとなる一手となった」と説明した。
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中国の深宇宙探査実験室の主任を務める中国工程院の呉偉仁(ウー・ウェイレン)院士は、「当実験室の設置は、国家戦略的レイアウトを実行し、国家ハイエンドシンクタンクを構築し、宇宙強国を建設する上でカギとなる一手となった」と説明した。中国新聞網が伝えた。
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中国の深宇宙探査の発展を長い目で見なければならないという差し迫ったニーズに合わせて、中国国家航天局(宇宙局)と安徽省、中国科学技術大学は3年前、共同で深宇宙探査実験室を設置した。国家実験室として核心となる戦略的パワーを生み出し、国際的に影響力のある世界人材センター、イノベーションの重要拠点を構築するというのがその目的だ。わずか3年の間に、実験室は機関やプラットフォームの立ち上げからミッションの下支え、科学研究の難関攻略といった成果を上げ、飛躍的発展を遂げた。
実験室の合肥本部の科学研究試験エリアでは今、史平彦(シー・ピンイエン)チーフエンジニアが率いる宇宙資源利用研究チームが試験を展開している。チームが独自に研究開発した「月の土を使う3Dプリンティングシステム」は、月の土を高温で溶融した状態をシミュレーションし、月の拠点を建設する際の材料をプリントアウトすることができる。史氏は、「これは月で建物を建てるための建材を集める方法と言える。この技術は世界が月に科学研究拠点を建設するための準備作業となるため、月探査機・嫦娥8号に搭載して検証を実施する計画だ」とした。
また、史氏は「中国初の月の土から水氷を抽出するシステムの原理試作機も開発した。チームは『氷を含む月の土の高強度掘削は難しい』『宇宙では水蒸気を集めるのは難しい』『水氷抽出の効率が悪い』いった難関を攻略した。現時点で、試作機は1時間当たり10~50グラムの水氷を抽出することができ、それに必要な電力はわずか150ワット。世界最先端の水準となっている」と説明する。
実験室は24年10月、中国の科学研究機関9機関と共同で火星探査ミッション「天問3号」の予定着陸地点86カ所を含めた火星の生物の痕跡探索関連の一連の研究成果を発表した。中国科学院の侯増謙(ホウ・ズンチエン)院士が率いるチームは現在、「天問3号」の「火星着陸地点」を厳選するためのキーテクノロジーといった関連の研究を進めており、中国初の火星サンプルリターンミッション成功に向けて、技術の難関攻略に挑んでいる。
実験室はここ3年の間に、中国科学院と中国工程院の院士7人、チーフエンジニア・首席科学者10人を代表とするハイレベル人材のほか、中核を担うスタッフ約50人を招聘し、国家級ポスドク科学研究事業拠点を構築して、ハイレベル人材の「インキュベーター」となっている。
安徽省合肥市にある中安創谷2期G1棟は、深宇宙探査実験室が国際協力を実施する拠点で、今後は、国際深宇宙探査学会の本部として、世界から人材が集まり、深宇宙探査分野の国際協力と交流が展開されることになっている。
深宇宙探査実験室・党委員会の胡朝斌(フー・チャオビン)書記は、「中国初の宇宙分野における非政府国際科学技術組織で、安徽省に拠点を置く初の国際組織でもある。学会は今後、各国や国際組織と協力して、テクノロジーハイレベル人材を呼び込み、科学的発見に取り組み、学術交流を盛んにし、共に国際協力の新プラットフォームを構築できるよう取り組むことになっている」とした。
実験室は23年に深宇宙探査(天都)国際会議を企画し、第1回は合肥で、第2回は黄山で開催し、世界の宇宙産業に大きな影響を与えるようになった。
実験室は25年4月に「国際月面研究ステーション開発者会議」を開催し、国際月面研究ステーションの開発者100人以上が集まり、今後の協力スタイルや協同発展のシナリオについて意見を交換し、その建設計画前進を加速させた。現時点で国際科学研究機関64機関と協力することで合意しており、中国国家航天局が深宇宙探査の分野の国際交流、協力を拡大することができるよう下支えを提供している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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