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仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル中国語版は10日、「デフレ深刻化、中国で価格戦争勃発:コーチのブランドバッグがたったの30ドル?」と題する記事を掲載した。
仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は10日、「デフレ深刻化、中国で価格戦争勃発:コーチのブランドバッグがたったの30ドル(約4500円)?」と題する記事を掲載した。
記事は、ロイターの記事を引用。中国国家統計局が9日に発表したデータを基に5月の消費者物価が前年同月比で0.1%下落したことを伝えた上で、「供給過剰や需要低迷への懸念から、自動車、電子商取引(EC)、コーヒーなど複数の業界で価格競争が発生している。生活必需品ではない高級品の中古市場では、こうした傾向がさらに顕著になっている」と報じた。
記事によると、エネルギー業界で働く女性は「中国経済は確かに低迷している」とし、不動産危機によって一家の資産が大幅に目減りしたこと、給与が10%減額されたことなどから、ブランド品などの高級品の購入により慎重になり中古品にも目を向け始めたことを語った。
記事は、女性のように価格に対する敏感さの高まりが中古ブランド品市場の成長を加速させていると説明。中国の調査会社・智研諮詢の報告によると、コロナの流行以降、中国の中古ブランド品市場は年平均20%を超える成長率を記録しているが、「商品の急増」がさらなる価格の下落を招いているという。
北京市内で新しくオープンした中古ブランド品店「超級転転」では、定価の最大90%という大幅な割引が行われており、ここ数年の業界平均である30~40%引きと比べてはるかに高い水準となっている。同店では元値3260元(約6万5000円)のコーチのハンドバッグがたったの219元(約4500円)で販売されている。また、元値2200元(約4万5000円)のジバンシィのネックレスも、187元(約3800円)で販売されている。
このほか、中国のフリマアプリ「閑魚(Xianyu)」「妃魚(Feiyu)」や中古ブランド品売買サイトの「胖虎(Ponhu)」「紅布林(Plum)」などでも、一般的に70%引き、あるいはそれ以上の値引きが行われているという。
中国市場に詳しい専門家は、不況下で高級品消費者の多くが中古品市場に流れていると指摘する一方、競争が激しさを増す中、販売業者はさらなる値下げを強いられているとも述べた。上海や北京といった大都市では、いまだに新規参入者を受け入れるだけの買い手が存在するものの、その他の地域ではすでに市場に余裕がなくなっている。ある業界関係者は「売り手は年20%のペースで増加しているが、買い手はほぼ横ばいだ」と証言、最終的に倒産する店も少なくないと見通した。
記事は、「デフレ傾向に対して経済学者たちは懸念を強めており、こうした価格競争は最終的に持続不可能であり、企業の倒産や失業者の増加を招き、結果としてデフレをさらに深刻化させる可能性がある」と伝えたほか、英経済調査会社キャピタル・エコノミクスの報告書では「過剰な生産能力が続くことで、中国は今年か来年にデフレに陥る可能性がある」と評価されていることも伝えている。(翻訳・編集/北田)
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