湖北省武漢市武昌区の道路・中北路沿いにあるコンビニ「有家」のレジで早朝、市民の張さんが慣れた手つきでQRコードをスキャンし、食欲をそそる香りを漂わせる「熱乾麺（武漢名物のスープなし麺）」を半額で購入していた。張さんは「低炭素商城の半額クーポンを使って買った」と笑顔で話しながら、スマホのミニプログラム「武碳江湖」の記録を見せてくれた。そこには地下鉄で通勤して貯めた2000カーボンポイントと朝食5割引券との交換が記録されていた。人民網が伝えた。

2023年6月に武漢市のカーボンインクルージョン総合サービスプラットフォーム「武碳江湖」が開設され、市民は「カーボンアカウント」を利用することができるようになった。例えば、路線バスに1回乗ると、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を212．5グラム削減、地下鉄に乗ると1キロごとに、78．4グラム削減、自転車に乗ると1キロごとに93．3グラム削減したとして、ポイントが加算される。低炭素ライフスタイルのシーンは、カーボンインクルージョン方法論に基づいて、温室効果ガス排出削減量に変換され、自動で個人の「カーボンアカウント」に加算されていき、一定のポイント数に達すると、クーポンなど、さまざまなものに交換できるようになっている。

武漢碳普恵（カーボンインクルージョン）管理有限公司の研究開発部のスタッフ・鄭涵（ジョン・ハン）さんは、「グリーンライフを継続させなければならず、エコアクションによって削減できた排出量を全て目に見える成果に変えなければならない」と話す。

「武碳江湖」は、市民の普段のエコアクションをしっかりと記録し、それをコツコツと重ねて、クーポンなどに交換できるポイントを貯めることができ、抽象的な環境保護の理念を可視化することができるため、市民が継続的に熱心に参加するよう働きかけることができる。

市民の魏さんは5月に「温室効果ガスの排出を累計で4万5000グラム削減したので、住宅ローンの利息90元（1800円）分を相殺できる」というショートメッセージを受け取った。これは、「武碳江湖」と民生銀行武漢支店が共同で打ち出した、温室効果ガスの排出量を削減すると住宅ローンの利息分返済に使うことができるキャンペーンで、12月31日まで実施される。

魏さんは「1000グラム削減すると、利息を2元（約40円）返済できる。そんなに多くはないものの、自転車に乗る時も、地下鉄に乗る時も、お得感があってとてもうれしい」と話す。

武漢市生態環境局は第2陣となるカーボンインクルージョンの方法も発表しており、使わなくなった中古のスマホの売買をしたり、デリバリーを利用する際に「割り箸不要」を選んだりしても、エコアクションとして、削減した温室効果ガスの排出量が計算されることになっており、内容が一層充実している。

開設されてから2年の間に、「武碳江湖」ではエコアクション11シーンが打ち出され、カーボンデータ転送23ルートが設置、ユーザー数は160万人、エコアクションは827万回に達しており、合わせて5万1803トンの温室効果ガス排出が削減された。（提供/人民網日本語版・編集/KN）