中国で子どもの視力低下が深刻、近視ビジネスが旺盛

邦人Navi    2025年6月10日(火) 7時30分

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中国で「子どもの健康リスク」への関心が高まる中、近視対策に名を借りた商材の氾濫とその落とし穴に注意が呼びかけられている。

6月6日は中国の「全国愛眼日」。1996年に国家衛生部などが制定し、青少年の近視問題を中心に視力保護の啓発が行われてきた。「子どもの健康リスク」への関心が高まる中、近視対策に名を借りた商材の氾濫とその落とし穴に注意が呼びかけられている。

日中に共通する児童の視力問題

中国では「スマホ世代」の児童・青年が電子端末をまるで空気のように吸い込みながら育っている。そしてその代償として、視力がごっそりと削られている現実に直面している。

中学生は70%以上、高校生は80%以上が近視だといわれる。これでは教室という名の集団が眼鏡市場の縮図と化していても不思議ではない。教師が黒板に書くたびに、「見えません!」と叫ぶ声があちこちから上がる風景が目に浮かぶようだ。

「見えない成長」がもたらす将来リスク

専門家による見解を紹介した記事から引用すると、子どもには生まれたときに「生理的遠視」という目の設計図があるという。そして、それは成長とともに徐々に正視に近づくようプログラムされているのだが、現代の子どもは8歳にしてこの「遠視貯金」を使い果たしてしまう。

とりわけ深刻なのが眼軸というパーツの成長スピードで、9歳にして大人と同じ24ミリメートルに達するケースもある。これが26ミリを超えると「高度近視」になる。網膜剥離や黄斑変性といった眼底の大惨事を引き起こしかねないというから看過できない。

視力保護か商機か、近視ビジネスの実態

こうした中で盛況を見るのが「近視ビジネス」の面々だ。アイマッサージ機に始まり、ブルーライトカット眼鏡、視力回復サプリ、さらには「度数コントロール眼鏡」なる珍妙なネーミングの商品まである。「30日で視力が回復する」「飲むだけで目が良くなる」などのキャッチコピーにわらにもすがる思いで購入する親が後を絶たないようだ。

もちろん国家市場監督総局はこうした虚偽広告を規制し、「近視克星」「完全治癒」などの表現を禁じている。それでも抜け穴は広く、言い換え表現による誤認表示も根強く残る。

加えて、使用法を誤れば逆効果となる製品もある。例えば、青色光を過剰に遮る眼鏡は色彩感覚を損ない、かえって眼精疲労を引き起こす可能性がある。光を遮っているつもりが、未来の可能性まで曇らせてしまっては本末転倒だ。

医療と生活習慣の再設計

こうしたトラブルを回避するためには、科学的に実証された方法で解決を図るほかない。DIMSという特殊設計の眼鏡レンズ、夜間装用で角膜を整えるOKレンズ、あるいは低濃度アトロピン点眼。これらは臨床的なエビデンスに裏打ちされた選択肢だといわれるが、これにも信頼できる専門家から確かなアドバイスを仰ぎたいところだ。

もっと重要なのは生活習慣の見直しだろう。読書をするなら30センチ以上の距離を保つ。照明はスタンドだけでなく部屋全体を明るく保つ。スマホやゲームは20分ごとに休憩し、毎日外で太陽の光を浴びることを心がけたい。そして、甘い物の摂取はほどほどにするのが望ましいとされる。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)

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