米国防長官が日豪に防衛費負担増を要求、「アジア太平洋を火薬庫に」と中国メディア

Record China    2025年6月7日(土) 9時0分

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米国防長官は日本やオーストラリアに防衛費の負担増を要求した。中国メディアは「新たな軍拡競争を引き起こすだけ」と指摘。「アジア太平洋を『火薬庫』に押しやる」と批判した。写真は日豪両国旗。

米国のヘグセス国防長官は先ごろ、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)などで日本やオーストラリアに防衛費の負担増を求めた。中国メディアは「新たな軍拡競争を引き起こすだけ」と指摘。「アジア太平洋を『火薬庫』に押しやる」と批判した。

中国網が紹介した共産党機関紙・人民日報系の環球時報の記事によると、ヘグセス長官は「NATO(北大西洋条約機構)加盟国は対GDP国内総生産)比5%の国防支出を約束した。アジアの同盟国も欧州諸国を見習うべきだ」として、豪州国防相との会談で、防衛費の対GDP比を3.5%まで引き上げるよう明確に要求。日本メディア掲載の書面インタビューでは、米国が日本に防衛費の対GDP比を5%に引き上げるよう求めたことが明らかになった。

記事は「5%と3.5%という二つの数字は、日本と豪州の頭上にぶら下がる『ダモクレスの剣』のごとく、同盟の信頼基盤を揺るがしかねない」と言及。「現実問題としてこの要求は両国にとって短期間での達成が不可能だ」とした。

続いて「日本の軍事的野心に歯止めをかけたのは経済的な現実だ」と説明。「日本政府の債務残高の対GDP比は260%に達し、少子高齢化の危機は空前の深刻さで国家財政を圧迫。財政予算の3分の1が社会保障支出に、4分の1が国債元利返済に充てられ、財政収支は借金に依存しつつ辛うじて均衡を保っている」と述べた。

さらに「岸田文雄政権当時、防衛費調達のための増税案が提示されたが、国内世論と野党の激しい反発を招いた」と回顧。「仮に日本の防衛費の対GDP比を2%から3%に引き上げるなら6兆円もの資金不足が生じ、日本経済および国民生活に耐え難い重圧をもたらし、国民の理解を得られないだろう」と突き放した。

ヘグセス長官の言動については「責任分担と称しているが、その実質は米国が世界覇権維持のコストを最大限に同盟国に転嫁し、『アメリカファースト』の利益に役立てることにすぎない」と分析。「このようなやり方は同盟国の財政負担と戦略的自主性への要望を無視しており、利益の計算に満ちた利己的本質を露呈している」と断じた。

その上で「もし日豪や韓国、フィリピンなどの米同盟国がこぞって従来の安全保障政策の枠組みを突破するような事態となれば、アジア太平洋の戦略的安定は失われ、強制的な陣営対立が対話・協力に取って代わり、地域を安全保障のジレンマのエスカレートに陥らせるだろう」と警告。「米国が軍拡によって『抑止力』構築を図ることは同盟国の福祉と地域安定を犠牲にするだけでなく、最終的には予測不能な戦略的暴走を招きかねない」と主張した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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