中国でかつて物流業界の主力だったガソリン車は、環境対策やコスト削減を目的に、電気自動車（EV）への切り替えが進んでいます。EVトラックが増加するにつれ、ガソリン需要が減少しています。

中国で4月にEVトラックが軽商用車の販売に占める割合は22％に上昇し、前年同月の13％から大幅に増加しました。大型トラックのEV化はさらに顕著で、販売台数は前年同月の3倍となり、全体の15％を占めました。

中国ではこれまでディーゼルが石油需要の約4分の1、ガソリンが5分の1超を占めていましたが、EVの急速な普及に伴い、ガソリン消費は継続的な減少傾向を示しています。

中国の4月のディーゼル需要（生産と輸入を含む）は前年同月比で8．4％減少し、1日当たり378万バレルに落ち込みました。ディーゼル消費は2030年までに2024年比で26％減少する見通しです。

世界最大の原油輸入国である中国の運輸業の構造的変化は世界のエネルギー市場に深く影響を及ぼしています。中国ではディーゼル消費の70％以上が道路貨物運送、鉱山作業、建設作業用車両に使用されています。

中国政府は自動車産業において化石燃料からEVへの転換を積極的に推進しており、EVトラックを含む自動車購入に対する税制優遇措置を導入しています。同時に、地方政府も買い替え補助金政策などを通じてEVの販売を促進し、経済成長を後押ししています。

EVトラックは主に港湾や鉱山などの短距離輸送や集中作業の現場で使われていますが、バッテリー技術の進歩と充電インフラの整備により、応用範囲は今後さらに拡大する可能性があります。（提供/CRI）