2025年6月2日、韓国・朝鮮日報は、進水に失敗し横倒しになった北朝鮮の駆逐艦について、現時点では船体の分解が最善だとする分析結果が出たと伝えた。

北朝鮮は先月21日、金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党総書記が出席する中、5000トン級駆逐艦の進水式を行ったが、横転し一部が水没。船体が破損する事故が発生した。事故後、外信などが公開した衛星写真を見ると、駆逐艦の周囲には風船と思われる白い物体が12個設置されている。

CNNの報道によると船体の半分は水没、もう半分は埠頭（ふとう）に引っ掛かっている状態で、米海軍分析センター（CNA）のデッカー・エヴェレス（Decker Eveleth）研究員は「事実上、最悪の状況」だと指摘したという。完全に水没していれば引き揚げは容易だが、現状のような場合、水没している方を無理に引き揚げるとキール（竜骨）がゆがんだり折れたりする可能性がある。キールが折れた場合は廃船にすることも考えられるという。エヴェレス氏は、現在の状況では「駆逐艦を分解することが最善の案だ」とし、船体を一部でも解体し、残った部分をえい航し移動させ、再建するか廃船にするかを決めるしかないとの考えを示している。

また、風船のような物体については、専門家から複数の見解が示されている。エヴェレス氏は「駆逐艦引き揚げのために設置されたもの」だと分析したが、米海軍退役大佐のカール・シュスター氏は、ドローンによる偵察を妨害するためか、埠頭に残っている部分の負担を軽減するための、どちらかが目的であるとの見解を示しているという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「この駆逐艦を造るためにどれほどの北朝鮮人民が飢えなければならなかったんだろう」「まるで北朝鮮住民の姿だ。水没した一般市民と、陸地に引っ掛かっている共産党員」「設計図を盗んでくれば駆逐艦が造れるわけではない」「結局、廃船になる可能性が高そうだね」「これが北朝鮮のレベルだ。脅威に感じるどころか、あきれてしまう」といった声が寄せられている。（翻訳・編集/麻江）