25年端午節期映画の救世主は「ミッション:インポッシブル」のみ?映画産業の衰えに懸念の声―中国

華流    2025年5月30日(金) 19時0分

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2025年の中国の端午節に上映される映画一覧をめぐり、関連産業が直面している危機的状況を懸念する声が上がっている。写真は「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」。

2025年の中国の端午節(25年は5月31日)に上映される映画一覧をめぐり、関連産業が直面している危機的状況を懸念する声が上がっている。

報道によると、今週末にかけて登場する端午節映画のうち、若干の興行収入が期待できるのはルイス・クー(古天楽)主演の「私家偵探」と、トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」のみで、残りは「致命玩偶」「午夜電梯」など粗悪に仕上げられたホラー映画一色となってしまい、配給会社が急きょ「ナタ 魔童の大暴れ」の再延長を実施、「時間之子」「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」「新大頭児子と小頭パパ」などのアニメ映画を放出するとのことだ。

「ナタ 魔童の大暴れ」で大いに盛り上がった春節(旧正月)期からわずか3カ月後に急展開を迎えている映画市場だが、ゴールデンウイーク(GW)期にすでにその兆候が現れていた。大物女優マー・リー(馬麗)主演で期待が寄せられていた「水餃皇后」が3億6000万元(約72億円)にとどまってしまい、アンディ・ラウ(劉徳華)の「猟金游戯」も2億6000万元(約52億円)で映画市場をけん引することはなかった。

より具体的な興収数字を見ると、5月17日上映の「独一無二」が1643万元(約3億3000万円)の落第点をつけてしまい、全国の興収成績でも平日が1500万元(約3億円)から3000万元(約6億円)にとどまり、週末も5000万元(約10億円)程度という。もともと、春節期と夏休み期の映画市場をつなげるためのGW期と端午節期だが、今年はその役目を果たせず、夏休み映画に大きな影を落としそうだ。

映画産業が冷え込みに転じた原因は、「市場飽和‐投資減少‐いい映画を作れない‐観客が失望する‐資金回収のため高い料金設定‐観客がさらに流失」という致命的な負の連鎖にはまっているためとのことだ。統計によると、中国の15に上る制作会社のうち14社が赤字経営に陥り、利益を上げているのは残り1社のみで、映画を作るほど赤字が膨らむとの認識になっているもようだ。

抜本的解決策としては、コンテンツ重視と映画作りの初心に戻り、「いいストーリーを丹念に作り上げ、観客の共鳴を得る」ことで、「流転の地球」「ナタ」のような国産秀作を目指すことが指摘されている。それまでの救済策としては、タイのホラー映画、フランスの劇映画、イランのドキュメンタリー映画など優秀な海外作品を取り入れ、リーズナブルな料金で観客を劇場に呼び戻すつなぎ作戦がある。

今年の春節後の「見たい映画がなくなった」「崖っぷちの中国映画」の窮状から脱出するため、産業全体の努力が求められているようだ。(翻訳・編集/RR)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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