2025年5月28日、仏国際放送局RFI（ラジオ・フランス・アンテルナショナル）の中国語版サイトは、中国が欧州向けのレアアース輸出規制を緩和する可能性があると報じた。

記事は、中国が4月に半導体や自動車、国防分野に用いられるレアアース7種類とその関連製品を輸出規制リストに入れ、すべての輸出業者に対して輸出許可申請の提出を義務付けたと紹介。輸出審査手続きに数か月を要することから、通関段階で混乱が生じていると伝えた。

その上で、中国商務部が今月27日に北京で「中・欧半導体上下流企業座談会」を開き、中国や欧州の半導体関連業界団体や企業に対して産業安全・輸出入管理局が輸出許可申請の手順について詳しく説明したことを伝え、複数の業界関係者が「中国には双方の半導体企業が形成する産業チェーンにおけるレアアース輸出規制を緩和し、輸出許可審査プロセスを加速してサプライチェーンの安定を確保する用意がある」との見方を示したことを報じている。

記事によると、在中国EU商工会議所のイェンス・エスケルンド会頭はこの座談会について「EU商工会議所のメンバーが現在のニーズを伝えるチャンスを提供された。欧州の生産ラインが重要原材料の不足で生産停止リスクに直面していることから、これはとても大きな意味を持つ」とコメントした。

記事は、中国が米国との貿易戦争の中でレアアースを引き続き戦略的な対抗手段と捉えており、今回欧州向けにレアアース輸出規制緩和を示唆したことは、欧州と連携しつつ米国をけん制する狙いがあるとの分析を紹介した。（編集・翻訳/川尻）