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働きたい地域と移住したい地域の評価は住む国や世代、目指すライフスタイルによって大きく異なる。写真は群馬県。
働きたい地域と移住したい地域の評価は住む国や世代、目指すライフスタイルによって大きく異なる。ワーケーションや2拠点居住といった新しい暮らしの形が広がる今、注目を集めているのが「トカイナカ」だ。
求人プラットフォーム「智聯招聘(Zhaopin)」とシンクタンク「澤平宏観」が発表した「中国都市人材吸引力ランキング」によると、北京、上海、深セン、広州、杭州、成都といった一線級および準一線クラスの都市が、依然として人気が高い働き先となっている。若者向けの支援政策やインフラ整備の進展が就業希望者を強く引き付けていると考えられている。
一方、「住む」という視点で見ると事情は大きく変わってくる。例えば、新華社傘下の「瞭望東方週刊」が2024年12月に発表した「最も幸福感のある都市」ランキングでは、成都、杭州、寧波、南京、長沙、青島、広州、瀋陽、西寧、大連、石家庄が上位となっている。
教育、医療、治安、環境、交通、雇用、生活の質、住民の収入、都市の魅力など九つの指標によって順位が決められ、自然豊かな環境や手頃な家賃、充実した食文化など暮らしやすさの評価が順位に大きく影響していることが分かる。
とりわけ、「95後」と呼ばれる1995年以降に生まれた若者世代は、雇用条件よりも生活の快適さやバランスを重視する傾向が強いとされる。日本では、都市の利便性と地方の穏やかさを兼ね備えた「トカイナカ」といった造語が広まりつつあるが、中国でもそれに通じる価値観が広がっているのかもしれない。
日本における「住む場所」の人気トレンドを見てみると、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表した「移住希望地ランキング」が注目に値する。24年版(2月25日発表)では、群馬県が初の1位に輝いた。これは、4年連続でトップを守ってきた静岡県を抜くという快挙だ。
ただし、ブランド総合研究所による「都道府県魅力度ランキング」では、群馬県の順位は41位と低迷している。最下位グループに近い位置づけであり、地味な県というイメージを拭えずにいる。
さらに、海外向けSEOやWebマーケティングを手がけるアウンコンサルティングが1月に発表した「中国における都道府県検索数ランキング(2024年版)」においても、群馬県は全47都道府県中41位にとどまった。
これは「知名度と実力のねじれ」を象徴する好例といえるだろう。実際、関西圏ではいまだに「群馬ってどこ?」という反応も珍しくない。だからこそ、いま改めて「GUNMA」のポテンシャルに目を向けてみる価値は十分にあるはずだ。
近年では、旅と仕事を融合させる「ワーケーション」や都市と地方を行き来する「デュアルライフ(2拠点居住)」といった新しいライフスタイルが徐々に定着しつつある。All Aboutの調査によると、対象地として挙がっているのは沖縄、東京、長野、千葉などが中心だ。
残念ながら、そこに群馬県の名は見当たらない。とはいえ、草津や伊香保といった全国屈指の温泉地、高崎や前橋、桐生などに見られる都市機能と文化の芽吹き、そして東京への優れたアクセス性を考慮すれば、穴場としての資質を十分に備えているといえるだろう。
中国では都市間競争が激化する中、各地の「ブランド力」がこれまで以上に注目されるようになっている。近年では、GRPや地価といった定量的な指標だけでは測れない価値――例えば「暮らしやすさ」や「風通しのよさ」、「自分らしくいられる場所」といった要素に光が当たり始めている。
こうした視点で見れば、群馬県が静かに放つ存在感には、これからの住まい選びに通じるヒントが隠されているのかもしれない。地味ながらも着実に評価を高めるその姿は、まさにトカイナカの理想形であり、都市と自然のちょうどいい接点として、今後さらに輝きを増していくことだろう。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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