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2030年の全線開通を目指して建設が進む「滬渝蓉高速鉄道」は長江経済ベルトを横断する東西の大動脈で、全線が開通すれば12時間以上を要する上海―成都間の移動時間は6時間台へと大幅に短縮される見通しだ。
2030年の全線開通を目指して建設が進む「滬渝蓉(上海―重慶―成都)高速鉄道」は、長江経済ベルトを横断する東西の大動脈だ。全線が開通すれば、現在12時間以上を要する上海―成都間の移動時間は6時間台へと大幅に短縮される見通しで、中国における高速鉄道網の進化を象徴する存在となる。
滬渝蓉高速鉄道の全線距離は約1875kmに及び、このうち武漢―宜昌間の313kmについては2025年中の開通が見込まれている。同区間の所要時間は現在の約2時間から1時間程度へと短縮される見通しだ。
全線が開通すれば、上海―重慶間は現行の10.7時間から5.3時間に、上海―成都間は12.2時間から6.7時間にそれぞれ大幅に短縮される。中国に高速鉄道がまだ存在していなかった20年前には、同区間の移動に40時間前後を要していたことを考えると、その進化はまさに驚異的だ。
一方、日本に目を転じると、東北新幹線が新青森まで延伸されたのは2010年、九州新幹線が鹿児島中央まで延伸されたのは2011年のことだ。全線を通して新幹線を利用する場合、東京駅での乗り換えを含めても所要時間は9.5~10時間かかる。それ以降、所要時間に目立った変化は見られていない。
また、中央リニア新幹線の開業も当初予定されていた2027年から延期されており、劇的な移動時間の短縮にはいまだ明確な展望が見えていない。
奇しくも、2010~2011年という時期は、中国の名目GDPが日本を上回ったことが国際的に大きな注目を集めた年と重なる。その後の鉄道インフラの展開を見ても、日中両国の歩みには明確な対照が浮かび上がる。日本では、北海道新幹線の一部区間が開業したものの、新幹線ネットワーク全体の延長は3200km強にとどまり、今後の伸びしろもそれほど大きくない。そもそも交通インフラの拡充に向けた公共投資自体が頭打ちだ。
一方の中国では、2024年末時点で高速鉄道の総延長が約4万5000kmに達し、2025年には5万kmに到達する見通しとなっている。もちろん、国土の広さや制度の違いといった構造的要因はあるにせよ、その発展のスピードと規模はまさに驚異的といえる。この高速鉄道網が地域間連携や経済圏再編の起点としてどのような役割を果たしていくのか、今後の進化に目を離せない。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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