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香港誌の亜洲週刊はこのほど、2028年にはタイの経済規模がベトナムを抜く可能性が高まっているとの見方を紹介する記事を発表した。写真はタイ国内で撮影した水上マーケットの様子。
香港誌の亜洲週刊はこのほど、2028年にはタイの経済規模がベトナムを抜く可能性が高まっているとの見方を紹介する記事を発表した。
国際通貨基金(IMF)によると、タイの24年の国内総生産(GDP)は5264億ドル(約75兆円)であり、1人当たりGDPは7490ドル(約110万円)だった。一方のベトナムはGDPが4594億ドル(約65兆円)で、1人当たりGDPは4540ドルだった。しかし、タイの24年の経済成長率は2.5%で、25年は1.8%に減速する見通しだ。ベトナムは、24年の経済成長率が7.1%で、25年は5.2%と予測されている。英国のシンクタンクである経済商業研究センター(CEBR)の最新予測によると、ベトナムの経済規模は28年にタイを追い抜く見通しだ。
タイは経済の命綱の一つである観光業においてもベトナムとの厳しい競争に直面している。観光業界では、タイは数年後に、東南アジアの観光第一の目的地という地位をベトナムに取って代わられる見方が出ている。というのも、最近、観光業における両国の成績は「ベトナムが伸びてタイが後退する」局面を見せているからだ。タイは今年3月に270万人の外国人観光客を受け入れたが、これは新型コロナウイルス感染症前の19年の同月と比べて20%の減少だった。一方、ベトナムは40%増の200万人を超える外国人観光客を受け入れた。
タイとベトナムの観光客受け入れの消長については、タイが伝統的な観光国でベトナムは観光振興国であることや、ベトナムの方が物価が安いことが関係している。ベトナムでは家族向けリゾートやテーマパークもタイの同種施設より新しく価格も安い。さらに、ベトナムのホテルの利用料金は、宿泊や食費などすべて含めた合計金額で、タイの半分程度に抑えられている
加えて、ベトナムでは主要都市の多くの空港が国際空港に格上げされたため、海外路線の新設が容易になった。さらに、空港から主要観光地までは車で30-45分とアクセスが良くなり、ベトナム旅行の魅力が大幅に増した。これに対し、タイでホアヒンやカンチャナブリー県といった観光地を訪れるには、バンコクの空港から車で3時間以上かかる。タイの観光事業は「過去の遺産」に頼っている面が大きく、一方のベトナムでは、政府も観光産業の振興を重視している。
タイにとって、中国人観光客は極めて重要だ。しかし中国人観光客数は伸び悩んでいる。加えて、中国人俳優の王星さんが25年1月に、特殊詐欺の組織に誘拐されたことでも、中国人のタイ旅行に対する意欲は大きく冷え込んだ。25年1-4月にタイを訪れた外国人観光客は1209万人で前年同期と比べて「微減」に踏みとどまったが、中国人観光客は164万人と国と地域別で最も多かったものの、前年同期比で30%の大幅減だった。
観光業に加えて、タイ経済のもう一つの柱であるコメ輸出もベトナムの挑戦にさらされている。タイ米輸出協会のチャオカム名誉会長によると、今年1-3月期におけるタイのコメ輸出量は前年同期比で30%の大幅減となり、わずか210万トンだった。一方、同じ期間のベトナムのコメ輸出量は230万トンに達し、通年でもベトナムがタイを上回り、インドに次ぐ世界第2位のコメ輸出国になると見込まれている。(翻訳・編集/如月隼人)
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