「インド見下し」は危険な誤判断、成熟した国際感覚ではない―中国人専門家

Record China    2025年5月29日(木) 5時0分

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インド軍の戦闘機が先ごろの空中戦でパキスタン軍の戦闘機に撃墜された。中国ではインドを笑う書き込みが殺到した。しかし、インドを見下すことは危険な誤判断と指摘する識者もいる。写真はインドの都市の光景。

インド空軍とパキスタン空軍の間で5月8日に発生した空中戦では、インド空軍が保有するフランス製の新鋭多用途戦闘機の「ラファール」が、パキスタン空軍が保有する中国製戦闘機のJ-10Cによるミサイル攻撃で撃墜された。すると中国のSNSには「張り子の虎」といった、インドをあざ笑う投稿が殺到した。中国とインドは過去に、領土問題などで武力衝突したことが何度もある。国民感情は現在も良好とは言い難い。中国人民大学国際関係学院の国家安全学部の王召東副主任はこのほど、「インドを侮(あなど)ることは危険な誤判断」と指摘する文章を、北京日報系のメディアである長安街知事を通じて発表した。

突如として爆発的躍進が発生の可能性

インドは現在の世界で最も経済成長が速い国の一つだ。2021年から24年にかけての年間GDP成長率は最低でも6.5%、最高では9.7%で、多くの先進国や新興市場を大きく上回った。

さらに資本の流れの微妙な変化が、インドの世界のサプライチェーンにおける役割を再形成している。潜在的な成長候補から現実の力へと変わりつつあるインドは、まだ時間と努力を要するが、時代の追い風と戦略的機会の恩恵を受けている。ゆっくりした蓄積と爆発的な躍進の間にはしばしば、たった一つの転換点しかない。

地政学的価値がますます高まる大国

米中の戦略的競争激化と世界秩序の再構築の背景において、インドはより多くの西側諸国から「中国を抑える」重要な拠点として見なされ、その戦略的価値は急速に高まっている。

米国、日本、オーストラリア、インドによる四者安全対話(QUAD)において、インドは存在感を一層際立たせている。インドは西側先進国の伝統的な同盟国ではないが、その「戦略的独立性」により、むしろより柔軟な行動の余地を持つ。西側諸国はインドを引き込み、地域における「ソフトな同盟体系」を構築しつつある。

中国とは国際的に発言力巡る争いも

インドはBRICS上海協力機構など多国間の場で「グローバル・サウス」の旗を掲げ、発展途上国の内部で主導的地位を確立しようとして、国際的な発言権を巡って中国と競争を繰り広げている。インドは独自のグローバルアジェンダを提起し、中国や米国とは異なる独立した中間勢力のイメージ形成を目指している。

中国人がインドを軽視すれば一時の優越感は得られるかもしれないが、それは中印関係の健全な発展を促さず、中国周辺の環境の長期的安定も維持しにくくする。中国側が感情的な敵意に流されれば、拡大可能な協力の余地を失うことになる。競争を理性的に見つめ、意見の違いを積極的に管理することこそが、未来に向けた真の成熟した姿勢だ。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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