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中国では昨今、これまでの常識とは異なる「住宅物件選びの好み」が若者層を中心に広がっている。
中国では昨今、これまでの常識とは異なる「住宅物件選びの好み」が若者層を中心に広がっている。海外在住中国人向けの情報サイトである留園網が伝えた。
これまでの常識では、建物の南側に面して、さらに北側にも窓がある部屋がよいとされた。南側のベランダなどから十分な陽光が差し込み、通風もよいからだ。それに対して、方向面で「よくない」とされた住宅物件の筆頭は西向きの部屋だった。西日が差し込むので、夏になると空調代がかさむからだ。さらに風水を考えても西向きの部屋はよくないとする意見もあった。しかし若者の間では、西向きの部屋の人気が高まりつつある。
まず、西向きの部屋はこれまでの不評により、分譲価格や賃貸価格が低く設定されている。浙江省杭州市出身の1990年代生まれの女性も、親から「西向きの部屋は出費がかさむ」と教えられていたが、西向きの部屋の価格が同じ間取りの南向きの部屋より40万元(約790万円)も安いと知って、考えを改めた。それだけの価格差があれば、エアコン代がかさんでも十分に「元が取れる」からだ。
また、江蘇省、浙江省、上海市には梅雨があり、室内全体がじめじめしてしまうことが多い。しかし西向きの部屋ならば、午後の日照時間が長いために室内にカビが発生しにくい利点もある。中国の分譲マンションでは、デベロッパーは内装を行わない状態で販売することが一般的だが、入居者が自ら行う内装で、部屋の西側に向いた面から陽光を十分に取り入れる設計を採用すれば、冬でも暖房が必要なくなる場合もあるという。
若者世代を中心に西向きの部屋の人気が高まっているもう一つの理由は、生活リズムに関係している。平日は出社せねばならない勤め人であれば、南向きの部屋でも、陽光がしっかりと差し込む時間帯には自宅にいない。西向きの部屋ならば、早めに帰宅する日ならば、夕焼けの光景を堪能することができる。
不動産業者もかねてから、西向きの部屋を販売するために、「日当たりが良く、日照時間が長く、夕日の絶景が見られます」などと説明してきた。しかし多くの人は、不動産業者のこの「売り文句」に疑いの念を抱いていた。しかしインターネットに夕日が輝く美しい光景が投稿されるなどで、西向きの部屋のよさが認識されるようになったという。
自宅で仕事をする自由業の人の間でも、西向きの部屋は好評だ。自由業の人の多くは夜更かしをして仕事をする。南向きの部屋、さらに東向きの部屋では、朝になるといきなり明るくなり「叩き起こされる」ような状況になるからだ。西向きの部屋ならば朝でも徐々に明るくなるので、朝の時間帯もぐっすりと眠っていられるという。
西向きの部屋を買った人の一人は、「オレンジ色の光に染まった地平線や、空いっぱいに広がる真っ赤な雲を見ていると、人生に優しく迎え入れられたような感覚になります。今日一日は無駄ではなかったとも思えます。こんなに美しい夕陽が見られるのだから、それだけでも価値が十分あったと思います」と説明した。(翻訳・編集/如月隼人)
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