シンガポールメディアの聯合早報は23日、「競争力をなくした韓国企業は中国市場から撤退しようとしている」との見方に対し、中国の戴兵（ダイ・ビン）駐韓国大使が「韓国人の『負けず嫌い』な性格に合わない」と述べたことを報じた。

記事によると、戴氏は22日、韓中経済協会が開いた座談会で講演し、現在の中国経済の状況や国際情勢、中国と韓国の協力の現状と将来の方向性などについて語った。

その中で「中韓は離れることのできない隣国だ」と述べて、2024年の両国間の貿易は3280億ドル（約47兆円）を超えて前年より5．6％増加したと言及。「中国は21年連続で韓国の最大貿易相手国であり、韓国も再び中国にとって第2の貿易相手国になった」とした上で、両国の産業チェーン、サプライチェーンは深く融合していると強調した。

また、「近年、産業面における両国の競争はやや強まっているが、協力の戦略性や互恵性は変わっていない」とし、両国の発展状況や直面する外部環境は三十数年前の国交樹立当時とは大きく異なると指摘。双方に再認識、再出発の必要があるとし、「韓国企業が中国で発展するに当たり、二つの偏った認識を克服すべきだ」と訴えた。

その一つ目は、中国で短期間で大きな利益を上げようという2、30年前のような考え方で、こうした状況はすでに存在しないと指摘した。そして二つ目は「中国の産業高度化のスピードが速すぎるため、韓国企業は競争力を失い、中国市場から撤退しようとしている」という見方だ。戴氏はこれを「韓国人の『負けず嫌い』な性格に合わない」とし、韓国の企業家が両国の協力をより長期的かつグローバルな視野で見ることへの期待も示した。（翻訳・編集/野谷）