米中の対立、関税戦争の次は「素材戦争」―中国人識者

Record China    2025年5月18日(日) 8時0分

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中国の通信業界ウォッチャーの項立剛氏が16日、「中国と米国の次なる戦争は『素材戦争』だ」とする文章を発表した。資料写真。

中国メディアの観察者網によると、通信業界ウォッチャーの項立剛(シアン・リーガン)氏が16日、「中国と米国の次なる戦争は『素材戦争』だ」とする文章を発表した。

文章はまず、米中の関税戦争がやや落ち着いたとはいえ、両国の競争構造に本質的な変化はなく、米国は覇権を維持し、中国を抑え込むためにさまざまな方法を考え出すとの見通しを示した。

そして、米中はここ数年、貿易戦争、テクノロジー戦争、関税戦争を繰り広げてきたとし、「当初、米国は勢いよく主導権を握り、中国は準備不足のまま対応することしかできなかったが、徐々に立場を安定させた」と言及。「今回の関税戦争は1カ月ほどで米国が切り上げる気配を見せた」とも記し、一部から出た「次は金融戦争だ」との見方に懐疑的な意見を述べた上で「両国の立場はすでに攻守が逆転しつつあり、関税戦争が行き詰まったことで米国は徐々に守勢に回っている。次の戦いは『素材戦争』になると信じる」と論じた。

文章は、「資源の基礎は素材とエネルギーであり、それが及ぶ範囲は非常に広く、種類も多い。これらのいくつかの分野できっと争奪戦が起きる」と続け、「重要資源の支配権を握ることは経済の方向性に大きく影響し、世界の軍事バランスにも関わってくる」と言及。また、「最近非常に注目されているレアアース以外に、多くのグラファイト製品、カーボンファイバー製品、非鉄金属が工業の基礎を成し、一部は軍需産業にも大きな影響を与える」とし、「こうした素材を安価で大量に確保できるかどうかが、一国の軍事力や工業力、さらにはハイテク発展の土台を決める」「素材には二つの面で問題があり、一つは資源の埋蔵、もう一つは資源の転換だ」と論じた。

この「二つの問題」について文章は、「資源の埋蔵は天からの恵みであり、どの国にあるかはどうすることもできない。だが、興味深いのは資源があっても採掘能力がなければ意味がなく、採掘しても販売できなければ経済力に転換できない点だ」「真に重要なのは採掘と精錬の技術であり、海には豊富な資源があるが、それらを採掘してさらに精錬する能力が必要だ。米国にレアアースがないわけではないが、大量の非鉄金属やレアアース、それに関連する素材を精錬するには、鉄鋼やアルミの精錬といった多くの産業が伴わなければならず、巨大な基礎産業が必要となる」と説明した。

そして、「だからこそ中国は基礎産業の管理を強化し、レアメタル、レアアース、超硬材料、超伝導材料などに対して管理と制御を行い、自らの手に握らなければならない」との考えを強調。「関連資源の管理を徹底し、重要資源を自国で掌握することが力関係を変える鍵となる」とし、「『素材戦争』は必ず起きる。重要素材の争奪は世界のハイテク産業に影響を与え、軍事構造にも影響し、最終的には国家の実力を左右することになる」と結んだ。(翻訳・編集/野谷

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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