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北朝鮮がロシアに急接近している。中国との関係は朝鮮戦争の「血の同盟」とされてきたが、米誌は「中国側は露朝の関係強化に不満」と報道。「負債に映り始めたかも」との見方を示した。写真は北朝鮮。
ロシアのウクライナ侵攻に兵士を派遣し、弾薬を供給するなど北朝鮮がロシアに急接近している。中国との関係は朝鮮戦争(1950~53年)参戦を通じて「血の同盟」とされてきたが、米誌は「中国側は露朝の関係強化に不満を募らせているようだ」と指摘。「むしろ負債に映り始めたかもしれない」との見方を示した。
米誌ニューズウィークは中朝間の不協和音の一例として「中国東北部・瀋陽で4月下旬、北朝鮮のIT専門家がドローン技術関連の機密を盗んだとして逮捕されたもようだ」と報じた。
韓国・聯合ニュースによると、容疑者は北朝鮮のミサイル開発機関の関係者で、中国国内で活動する広範なネットワークの一員だったらしい。逮捕を受けて北朝鮮は同じ場所で活動していたIT技術関係者全員を帰国させたという。
聯合ニュースの記事はその後、中国の複数のネットメディアで配信された。中国での検閲の厳しさを考えると、当局の黙認があったとみてよさそうだ。
北朝鮮は長年、中国にとって安全保障上の緩衝材であり、自国の勢力圏の一部としてきた。朝鮮半島北部が敵対勢力の支配下に入れば、将来の軍事的脅威になりかねない。中国が朝鮮戦争に介入した理由もここにある。
一方で中国は北朝鮮の核武装への野心に悩まされてきた。北朝鮮は2006年以降、何度も核実験を行い、現在では韓国や日本、この地域の米軍基地を攻撃可能な核兵器を保有しているとみられている。
中国は地域の平和と経済成長の両面から、朝鮮半島の非核化と安定を支持している。日米韓と同じく核拡散に反対の立場で、北朝鮮の核実験が米国の軍事行動を誘発したり、地域の軍拡競争の引き金になったりすることを恐れている。
冷戦期の北朝鮮とロシアは緊密な同盟関係にあった。1991年に旧ソ連が崩壊すると関係は冷え込んだが、最近は欧米に対する共通の敵意が両国の距離を縮めている。22年のウクライナ侵攻後の動きは、その典型だ。
ニューズウィークは「中国は露朝両国の接近を北朝鮮の主要な庇護(ひご)者という自国の伝統的役割に対する挑戦とみている」と説明。
さらに「露朝の接近は中国を含む『動乱の枢軸』3カ国に対する欧米の懸念をあおることにもなる。欧米や日韓両国に敵対的姿勢を続ける北朝鮮と異なり、中国はウクライナ戦争中のロシアへの支援を限定的な範囲にとどめ、3国同盟の一員と見られることを慎重に避けている」と述べ、「今の北朝鮮に中国の意向に従う気配はほとんどない。今回のスパイ疑惑が浮上したタイミングも意味深長だ」と言及した。(編集/日向)
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