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香港メディアの香港01は6日、中国で点字ブロックに絵を描く活動が行われ美談として伝えられているものの、一部の視覚障害者からは「逆に見づらい」との声が上がっていると伝えた。
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香港メディアの香港01は6日、中国で点字ブロックに絵を描く活動が行われ美談として伝えられているものの、一部の視覚障害者からは「逆に見づらい」との声が上がっていると伝えた。
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中国で先日、街中の点字ブロックに市民やボランティアらが絵を描き、視覚障害者のために「虹の道」をつくり出す活動が行われた。発起人は浙江省麗水市在住の片腕を失った少女・方寸心(ファン・ツンシン)さん。活動の目的は、より多くの人に点字ブロックへの関心を持ってもらい、駐車などで点字ブロックを占拠する行為を減らすことだった。
方さんの活動は国営メディアなどでも美談として取り上げられたが、SNS上ではその評価は真っ二つに割れた。「目に見える色で、見えないぬくもりを届けるなんて素敵」「この取り組みによって、確かに多くの人が点字ブロックの占拠問題に目を向けるようになる」と評価する声がある一方、「絵を描くことによって点字ブロックの識別性を妨げる」「塗料で滑って事故につながったらどうするのか」と批判的な声も上がった。
また、ある視覚障害者は「私たちは色のコントラストと足元の感触で点字ブロックを識別している。色があまりに派手だと、判断に影響する可能性がある」と指摘。別のネットユーザーは、絵が描かれた点字ブロックが「いつも通り」車両に占拠されている写真を投稿して、活動の効果に疑問を投げ掛けた。
記事は、東京・渋谷のスクランブルスクエアにもアートが施された点字ブロックが設置されていることを紹介。こちらは、黄色いラインを残すことで視認性を確保したり、滑りにくさを重視した素材を選んだりするなど、アート性と機能性の両方を兼ね備えたものになっていると強調した。
その上で、中国の点字ブロックに絵を描くことをめぐる議論で本当に問うべきなのは、「なぜ点字ブロックが障害物競走のコースのようになってしまっているのかということ」と指摘。「(中国の)点字ブロックはマンホールや石の車止め、街路樹、路上駐車の車両などによって無残にも分断される状況が長年にわたり続いてきた。たった100メートルの点字ブロックがマンホールを避けるために7回も曲がりくねり、たとえ足元の障害を避けられても、頭上の障害は避けられない(という状況だ)」とした。
そして、「虹は美しい。しかし、視覚障害者にとって本当に必要なのは、真に障害のない1本の道である。点字ブロックが鮮やかな色で注目される必要がなくなった時、それが社会の文明が真に進歩した証しとなる。今すべきことは、すでにある点字ブロックの障害物を取り除き、適切に管理し、きちんと役割を果たせるようにすることだ」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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