石破首相のベトナム・フィリピン訪問、「日本の動き注視し続ける必要」と中国専門家

Record ASEAN    2025年5月3日(土) 6時0分

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石破首相は4月末、ベトナムとフィリピンを訪問。中国の専門家は「日本の今後の動きに注視を」と指摘した。(出典:内閣府 https://www.kantei.go.jp/)

石破茂首相は4月末、東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟するベトナムとフィリピンを訪問し、両国首脳と会談した。両国訪問の主なテーマは中国とどう向き合うか。中国の専門家は「日本とASEANの関係発展は第三国を念頭に置くべきではない」と論評。「日本の今後の動きを注視し続ける必要がある」と指摘した。

石破首相のベトナム入りは中国の習近平国家主席の訪問の約2週間後だった。ベトナムは南シナ海の領有権をめぐり、中国とあつれきを抱える。

ベトナムのチン首相との首脳会談では米国関税措置による世界経済への影響などについて議論するとともに、安全保障分野での協力を進展させるため、外務・防衛当局間の次官級協議を新たに設けることで一致。中国が海洋進出を強める東シナ海や南シナ海の情勢に関しては法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、協力していくことを確認した。

フィリピン訪問はより中国を意識したものになった。石破首相はマルコス大統領との首脳会談で、中国への対応を念頭に、日本とフィリピンの安全保障面での協力を一層強化する方針で一致した。

具体的には機密情報の交換を可能にする軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結に向けた議論開始や、自衛隊とフィリピン軍が物資などを提供し合う協定(ACSA)の交渉入りで合意。 その上で、中国を念頭に「東シナ海、南シナ海における力、あるいは威圧による一方的な現状を変更の試みに反対すること、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に向け引き続き、両国で緊密に意思疎通をしていくこと」を改めて確認した。

中国網によると、今回の訪問について、遼寧大学米国・東アジア研究院の呂超院長は中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報の取材に「米国が全世界を対象に関税戦争を仕掛ける中、日本はASEAN諸国を訪問し関係を強化し、新規市場の基礎を固め開拓しようとしている。このような行動は外交的には非難すべき点はない」とした。

その一方で呂氏は「日本は相次いで与党重役を中国に派遣しながら、周辺諸国を『中国への対応』に抱き込んでいる。一連の動きは日本の複雑な心理を反映している」と説明した。

さらに「注意すべきは日本は関税問題で米国とこう着状態になってはいるが、米国のいわゆる『インド太平洋戦略』への協力では米国側についている」と言及。「フィリピンが対中関係で挑発を続ける中、これを利用し米国との溝を埋めようとする可能性を否定できない。日本の今後のベトナムおよびフィリピンでの具体的な動きを注視し続ける必要がある」との見方を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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