日本はかつてのような「万博景気」を再現できるのか?―中国メディア

Record China    2025年5月3日(土) 19時0分

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2025年4月30日、環球時報は「日本は万博景気を再現することができるのか」と題した評論記事を掲載した。写真は大阪・関西万博のマスコットキャラクター「ミャクミャク」。

2025年4月30日、中国メディアの環球時報は「日本は万博景気を再現することができるのか」と題した天津社会科学院アジア太平洋協力・発展研究所の龔娜(ゴン・ナー)副研究員による評論記事を掲載した。

記事は、日本が1970年の大阪万博で「万博景気」を実現し、GDPを2.1%押し上げるとともに、1兆5600億円の派生経済効果と5700億円の付加価値を創出したほか、交通をはじめとする各種インフラや観光業の発展を促し、世界有数の都市圏の一つである関西経済圏の形成に寄与した。

一方で、85年のつくば万博では革新性に富んだ展示内容で、その後の日本の科学技術産業の構築や拡張に大きな影響を与えた反面、経済効果は大阪万博に遠く及ばず、6236億円の赤字を出したと指摘。さらに2005年の愛知万博では目標を上回る2200万人の来場があり黒字を達成したものの、経済効果は短期的な消費が主体となり日本経済をけん引する力にはならなかったと論じた。

その上で、1970年の大阪万博が「万博景気」を実現した一方で、その後2回の万博が好景気の波を起こせなかったことは「日本自身の発展段階および国際環境の変化と密接に関係している」と分析。現在開催中の大阪・関西万博では経済の活性化やイノベーションの発信といった大きな期待が寄せられているものの、現在の日本を取り巻く複雑な環境を考えれば70年万博の輝かしい成果を再現することは難しいとの見方を示した。

記事は、現在の日本を取り巻く環境についてまず、経済環境が70年万博の高度成長期とは大きく異なる「現状維持の成熟期」にあることに言及。日本のGDPも当時とは比べ物にならないほど大きくなっており、万博が日本経済に与える経済効果のインパクトは相対的に小さくなっているとした。

次に、若者が多かった70年代とは異なり、現在の日本は高齢化が進んでいること、娯楽が多様化しているため、積極的に万博に足を運ぼうとする人が少なくなっていると指摘。魅力的でユニークなコンテンツを提供できなければ、2820万人という来場者目標の達成も難しくなる可能性があると予測した。

さらに、世界的な原材料価格の高騰からパビリオン建設コストが大幅に増え、予算が膨らんでいることにも言及。政府が集中的にリソースを投入した70年万博とは異なり市場原理に基づいた運営が行われていることも、コスト膨張を助長することになると伝えた。このほか、現在万博を開催するということの意味、歴史的使命感が薄いことも「万博景気」を呼び起こせない大きな要因との見方を示している。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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