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東北ブランドの輝きに世界が熱視線を送っている。
震災復興から十数年たち、日本の東北地方は教育と観光の両輪でまばゆい光を放ち始めた。最新の「THE日本大学ランキング」では東北大学が5年連続で総合首位を守り、秋田の国際教養大学もトップ10にランクインした。一方、インバウンド分野では青森県の中国SNS・微博(ウェイボー)でのフォロワーが130万人を超えた。
日本の大学を教育リソース、教育充実度、教育成果、国際性の4指標で格付けする「THE(Times Higher Education)日本大学ランキング」2025年版で、東北大学が5年連続の総合1位を守った。同大は魯迅が学んだ旧仙台医学専門学校を前身とし、東アジア知識人の歴史的ネットワークを背負う点も国際性の厚みに寄与している。国際共同研究比率や産学連携収入はいずれも全国トップクラスだ。
秋田県立の国際教養大学(AIU)もトップ10入りを果たした。四学期制、全寮制、全授業英語に加え、1年間の海外留学を必修とする「フル・イマージョン」教育が高く評価された。外国人教員の比率が6割という環境も「地方にいながら世界と学ぶ」モデルとして注目されている。
青森県は15日に開催された「2025ウェイボー文化交流ナイト」で観光振興賞を受賞した。同県の公式ウェイボーアカウントは弘前の桜、ねぶた祭、冬の八甲田など四季折々の魅力を中国語で発信し続けており、4月時点でフォロワー数は130万人を突破。大阪観光局の約16万人を大きく上回っている。
一方、岩手県盛岡市が23年1月、ニューヨーク・タイムズ紙が特集した「今年行くべき52カ所(2023年版)」でロンドンに次ぐ2番目に紹介された。同誌は盛岡を「歩いて回れる宝石のような街」と評する。大正期に建てられた和洋折衷の建築美あふれる建造物群などに国際的な注目が集まった。
東北を代表するコンテンツの中でも、秋田犬は世界的に知られる存在だ。映画「ハチ公物語」「HACHI 約束の犬」、そして18年にロシアのフィギュアスケーター、アリーナ・ザギトワに贈られた秋田犬「マサル」を契機に海外での知名度は一気に拡大した。イタリア、米国、フランスを中心に愛好者が増え、25年3月には秋田犬保存会ヨーロッパ支部主催の「第11回ヨーロッパ保存会チャンピオンシップ」がトリノで開催され、161頭がエントリーしたと報じられた。
もっとも、インバウンド(秋田犬ツーリズム)、アウトバウンド双方で華々しい成果を挙げる一方で、日本国内では繁殖家の高齢化と後継者不足によって登録頭数が減少傾向にあると指摘されている(公益社団法人 秋田犬保存会が発表した23年の新規登録数はピークだった1972年の4万6225頭の20分の1にも満たない1832頭にとどまった)。国際的人気を維持しつつ、持続可能な飼育環境と品種保護をどう両立させるか。それは秋田県のみならず、日本全体に突きつけられた課題となりそうだ。
それでも教育、観光、幸福度、環境、文化資産といった要素が互いに補完し合い、東北ブランドの厚みは着実に増している。東北大学や国際教養大学を核とする留学生誘致は観光資源と相乗効果を生み、域内回遊の導線を太くしつつある。さらに、風力やバイオマスなど再生可能エネルギーの潜在力を生かし、産学官民が連携するモデルを横展開できれば、東北地方は地方創生の先行例として一層の存在感を放っていくことになる。(提供/邦人NAVI微信公衆号<WeChat公式アカウント>)
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