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23日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国がEUへの制裁を無条件で一部解除する可能性があると報じた。
2025年4月23日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国がEUへの制裁を無条件で一部解除する可能性があると報じた。
記事は、トランプ米大統領の関税政策により米中間、欧米間の関係が緊迫化する中、中国が2021年に自国高官への制裁に対する報復として欧州議会の議員5人に科した制裁の一部を一方的に解除する意向を示しており、欧州議会がすでに中国との交渉を複数回実施しているとの情報を紹介した。
記事によると、EUや英国、カナダ、米国が21年3月にウイグル族への弾圧関与を理由に新疆生産建設兵団の幹部4人に制裁を科し、中国はその報復として欧州議会議員5人と欧州議会人権委員会に対して制裁を発動。欧州議会は数日後にEU・中国投資協定の批准手続きを凍結した。中国側は今回、5人に加えて欧州議会人権委員会に対する制裁も解除する用意があるとの報道もあるという。
一方、中国はドイツのシンクタンク・メルカトル中国研究センターなど3つの欧州機関にも制裁を科しているものの、これらの機関への制裁を解除する動きは見られないと南ドイツ新聞は伝えている。記事は、中国側による制裁解除の提案に対し、欧州委員会の下部組織である欧州対外活動庁(EEAS)が「新疆における人権状況に改善は見られない」として冷ややかな態度を見せ、対中制裁を維持する方針を示していると伝えた。
記事は、トランプ政権が世界各国に関税圧力をかけ始めた中で中欧関係に改善の兆しが見えていると紹介。習近平(シー・ジンピン)国家主席が3月に北京で複数の欧州経済界代表と会談した際に積極的な対中投資を呼びかけ、スペインのサンチェス首相が先日訪中した際にも「世界に増大するリスクや課題に対応するには、連帯と協力が必要だ」と述べたことを伝えた。
これに対し、欧州の外交官の間では中欧関係に対する警戒感も根強く、EUは中国に対して「ウクライナ戦争における対ロシア支持を止めること」「過剰生産力を持つ産業への補助金を削減すること」など明確な要求を示し続けるべきとの意見が出ていることを指摘。欧州議会議員として中国からの制裁対象者の一人となったラインハルト・ビュティコファー氏が「EUは中国の中途半端な魅力攻勢に惑わされるべきではない。中国の戦略的立場はまったく変わっていない。たとえトランプ氏であっても、権威主義的な中国を欧州のパートナーに変えることはできない」と警告を発したことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)
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