【観察眼】米国発の関税戦争で築かれつつある「世界の万里の長城」

CRI online    2025年4月18日(金) 22時30分

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トランプ政権の関税政策が180余りの国と地域を貿易戦争の泥沼に引きずり込んだ。

トランプ政権の関税政策が180余りの国と地域を貿易戦争の泥沼に引きずり込んだ。一方で、多くの国で世界経済を守る動きが始まっている。「アメリカ・ファースト」を唱える一国主義が、世界経済を衰退の淵に追い込んでいるからだ。

米国の関税政策は全世界に多くの負の影響をもたらしている。短期的には全世界で貿易コストが上昇し、特に米国市場に高度に依存している国の輸出は大打撃を受ける。長期的に見れば、世界の産業チェーンとサプライチェーンが分断し、世界経済の成長がさらに鈍化する可能性が高い。同時に、世界規模のインフレが引き起され、世界経済の安定が害される。英アストン大学の経済モデル研究によると、貿易戦争が全面的にエスカレートすれば、世界経済は1兆4000億ドル(約199兆円)の損失に直面する。

米国の関税圧力に屈して妥協するのは決して賢明ではない。経済は一国の発展の基礎であり、貿易は経済成長の重要な駆動力だ。関税問題で妥協すれば、自国の経済の命運を米国に握られ、米国の言いなりになる羽目になる。そのことで自国が経済利益を失うだけでなく、米国による思うがままの覇権行為を助長することになってしまう。過去には一部の国が、米国による貿易圧力に屈して妥協や譲歩をした結果、米国からの圧力が軽減しないばかりか、かえって自国の経済が苦境に陥り、産業が深刻な打撃を受けたことがあった。したがって、各国は断固とした立場で米国の保護貿易主義の行為に反対し、公平かつ公正で開かれた世界貿易秩序を守らねばならない。

各国は共に世界貿易機関(WTO)の改革と健全化を支持し、その紛争解決メカニズムの有効な運用を推進すべきだ。WTOのルールに違反した米国の関税政策に対して訴訟を提起し、多国間協議を通じてより公平で透明な貿易ルールを制定して、米国が関税を乱用して世界の貿易秩序を乱すことを防止せねばならない。各国はまた、WTOの枠組み内で同盟を形成して貿易自由化プロセスを共同で推進し、自由貿易の範囲と分野を拡大してもよい。

地域的な経済貿易協力を強化することでも、米国の関税による影響を緩和させることができる。例えば、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国や「一帯一路」共同建設の参加国、包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定のメンバーとの協力を深め続けているが、このような地域協力により、各国は米国市場への依存を減らし、地域のより安定した産業チェーン・サプライチェーンを構築でき、国と国の関税障壁を低くして域内の貿易と投資の自由化を促進することができる。

各国の企業と研究機関がコア技術分野についての協力を強化し、それぞれの国の産業技術レベルと革新能力を高めることでも、米国の技術と製品への依存を低減することができる。同時に、新エネルギーや人工知能(AI)、バイオ医薬などの新興分野で協力を展開すれば、新たな成長点を共同で育成し、産業構造を高度化させて、競争力を高めることができる。例えば、中国の自動車大手「奇瑞汽車」はスペインの自動車ブランド「エブロ」と合弁会社を作って電気自動車(EV)の生産を始めた。この新機軸は地元の人々に愛されるエブロというブランドに新たな活気を持たせ、現地に1200人以上の雇用を創出した。中国の家電大手「美的集団」は華為技術(ファーウェイ)などと連携して、タイに東南アジア初の5Gスマート工場を開設し、AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの技術を活用して高品質な製品を製造している。このほか、中国企業はサウジアラビアやアラブ首長国連邦などで新エネルギー事業を展開することで、現地のエネルギー構造のモデルチェンジを後押ししている。このような協力は世界の産業チェーン・サプライチェーンの構造を再構築し、各国に関税障壁を破る新たなルートを提供するものだ。

世界経済の防衛戦に傍観者はなく、皆が参加者だ。中国の太陽光発電企業がグローバル化を加速させ、欧州連合(EU)がアジアとの貿易協力の拡大を模索し、発展途上国が産業チェーンの高度化を推進する現在、各国が一丸となって助け合い、米国の関税政策によるリスクを防ぐ「世界の万里の長城」が形成されつつある。(提供/CRI

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