日中両国政府に「歴史認識と領土問題の適切対処」求める=首脳会談早期開催を―東京・北京フォーラムが合意

八牧浩行    2014年9月29日(月) 15時40分

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29日、日中の平和促進と経済発展を目指す政官財言論界有識者会議「第10回東京・北京フォーラム」(言論NPO、中国日報社主催)が合意文書『東京コンセンサス』を採択して閉幕した。日中双方から有識者約100人が出席し、冷え込んだ日中関係打開に向け話し合った。

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2014年9月29日、日中の平和促進と経済発展を目指す政官財言論界有識者会議「第10回東京・北京フォーラム」(言論NPO、中国日報社主催)が合意文書『東京コンセンサス』を採択して閉幕した。今回のフォーラムのテーマは「北東アジアの平和と日中両国の責任〜対話の力で困難を乗り越える〜」。日中双方から有識者約100人が出席し、冷え込んだ日中関係打開に向け話し合った。

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東京コンセンサスは、「歴史認識問題と双方の領土をめぐる問題に適切に対処することは、日中関係を改善、発展させる上で極めて重要」と指摘した。その上で、「両国の首脳会談が早急に行われるよう、積極的に環境づくりを行う」と明記、11月に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で実現するよう求めた。

主催者を代表して、工藤泰志・言論NPO代表は「次の10年も引き続き日中民間対話の重要なメカニズムを続け、民間対話、言論対話の重要な役割を果たすように努力したい」と語った。

東京コンセンサスの要旨は以下の通り。

日中両国は一衣帯水の隣国として多くの利益を共有するだけでなく重要な国際的責任を担っている。日中ともに平和的な共存共栄、世代友好を堅持することは最良で唯一の選択である。

しかし目下の日中関係は国交正常化以来、最も厳しい状況にあり、両国の首脳レベルの交流が中断し、双方の経済貿易が減少し、両国民感情の対立が激しい。私たちはお互いが歩み寄り、両国の首脳会談が早急に行われるよう、積極的に環境づくりを行う。

歴史認識問題と双方の領土をめぐる問題に適切に対処することは、日中関係を改善、発展させる上で極めて重要である。昨年の第9回フォーラムで合意した「不戦の誓い」を踏まえて、海洋事務ハイレベル協議の再開に対して、心強く思うとともに、この協議が早期に成果を収めるよう期待する。

この10年間、両国の間の相互理解は改善できず、多くの人が両国関係の将来の姿を描けないでいる。民間のプラットフォームを通じて質の高い対話を展開し、提案していくことは必要不可欠である。

今回の東京・北京フォーラムには、日本側から福田康夫・元首相、岸田文雄・外相、明石康・元国連大使、宮本雄二・元駐中国大使、武藤敏郎大和総研理事長、五百旗頭真・熊本県立大学理事長、長谷川閑史・武田薬品工業会長・経済同友会代表理事、川口順子・元外相、石破茂・地方創生担当大臣、中谷元・元防衛庁長官、山口廣秀・前日本銀行副総裁、槍田松瑩・三井物産会長、河合正弘東京大学公共政策大学院特任教授らが出席。

中国側から蔡名照・国務院新聞弁公室主任(国務大臣)、程永華・駐日大使、趙啓正・中国人民大学ジャーナリズム学院院長・元国務院新聞弁公室主任、陳健・中日友好21 世紀委員会秘書長、魏建国・中国国際経済交流センター副理事長、朱成虎・中国人民解放軍国防大学戦略研究部教授・少将、楊伯江・中国社会科学院日本研究所副所長らが出席した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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