アリババの奇跡、小規模・零細企業に真似できるか?―中国メディア

Record China    2014年9月30日(火) 16時34分

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23日、ネット通販大手の阿里巴巴(アリババ)は今月19日、激しくかき鳴らされるベルの音とともに、米国・ニューヨーク証券取引所に上場した。写真は上海のアリババ。

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2014年9月23日、ネット通販大手の阿里巴巴(アリババ)は今月19日、激しくかき鳴らされるベルの音とともに、米国・ニューヨーク証券取引所に上場した。中国の富豪首位の座も、一夜のうちに主が変わったことになる。だが多くの人々に深い印象を与えたのはある小さいことだ。阿里巴巴の馬雲ジャック・マー)会長は取引開始のベルを鳴らさず、1990年代生まれの大学生、自閉症の児童が専門のリハビリ教員、腰の低い純朴な農民の商店経営者、家々の間を縫って荷物を配達する宅配便の青年など、8人の客にチャンスを与えた。阿里巴巴上場の熱狂を前にして、次のような疑問が何度も頭をもたげてくる。「阿里巴巴の奇跡は真似できるのか」、「中国にはここまで成長できる小規模・零細企業がどれくらいあるのか」という疑問だ。

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阿里巴巴の奇跡を論じた文章の多くが、阿里巴巴の成功は特殊なものであり、だれでも真似できるわけではないとの見方を示す。だが馬氏の努力の積み重ねの半生、阿里巴巴のこれまでとこれから、ニューヨーク市場でベルを鳴らせる可能性のある起業家たちは、上場当日のパーティで馬氏が言った言葉を裏付ける。馬氏は「今はまだ『小さく』みえる企業や人を軽視してはならない。小さいということは、パワーがあるということ、明るい未来があるということを意味するからだ」と述べた。

中国の一般の人々にとって、起業やイノベーションが奨励される時代が、これまでのいつにも増して目の前までやって来ている。また人々はどんな時よりも小規模・零細企業がサナギを破ってチョウになるよい環境を待ち望んでいる。

中国共産党第18回全国代表大会以降、起業とイノベーションという言葉が人々の間に定着した。審査項目600件あまりをカットした政府機能の簡素化と権限の委譲から、登録登記の要件引き下げまで、営業税の増値税(付加価値税)への慎重な移行から、ネガティブリスト、権力リストによる自主的な制約まで、また中央政府から地方政府に至るまで、うち出された政策、採用された措置、努力して構築された緩やかなムード、包容力のある環境、法律による統治の局面などにより、阿里巴巴が登録した15年前より状況がどれくらいよくなっているか計り知れない。

ただ棚からぼた餅、ということではない。すべての政策的メリット、改革のメリットは、創造と努力からきたものだ。政府の創造だけでなく、企業のイノベーションや個人の努力による部分も大きい。創造は市場の洗礼を受けなければならない。馬氏は初めて利益を出すまでに、翻訳会社から情報サイト「中国イエローページ(職業別電話帳の案内広告ページ)」に至る小規模・零細企業の時期が経ており、さまざまなトラブルも経験している。

政府レベルで意識しなければならないのは、「人々が起業し、誰もがイノベーションに取り組む」環境の整備を進め、社会全体の起業・創業の情熱を経済発展の内在的なエネルギーに変えるためには、さらなる改善や改革が必要だということだ。数年前に、多くの地方の指導者たちが、現地の幹部に「なぜわれわれのところには阿里巴巴のような会社が誕生しないのか」と尋ねた。今でも多くの人が、「中国のA株市場はどうして阿里巴巴を引き留められなかったのか」と質問を投げかける。これは一種の自省であり反省だが、一種の忠告ともいえるのではないだろうか。小規模・零細企業が誕生して歩き始めた時、支えが必要な時に、私たちは何を提供しただろうか。私たちのプラットフォームは小規模・零細企業の夢をのせることができただろうか。今年1〜8月には、登録登記された市場主体は800万を超えたが、8月の一連の経済指標は意外にも落ち込んでおり、「市場は改革を評価していない」と指摘された。両者の間には因果関係がなく、指摘は憶測に過ぎないとはいえ、生まれ出ようとしている小規模・零細企業が厳しい冬をやり過ごすよう支援し、より深化した改革を通じて行い、政策的な支援だけということがないようにすることが、政府の真剣に考えるべき問題だといえる。

小規模・零細企業の明るい見通しは、国、企業、個々がともに作り出す「大きな未来」だといえる。マクロ的な政府機能の簡素化と権限の委譲、中間的な起業支援、ミクロ的な競争と努力は、どれも欠かすことのできないもので、これらがそろわなければ中国経済の未来はなく、より多くの「逆境に立ち向かう者たち」が起業を成功させる「小規模・零細企業の成功物語」を紡いでいくことはできない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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