「錦織圭」という結果を残した日本テニス協会、中国には「プレッシャー」と「励み」に―中国紙

Record China    2014年9月10日(水) 11時53分

拡大

9日、テニスの全米オープン最終日、男子シングルス決勝が行われ、錦織圭選手とマリン・チリッチ選手(クロアチア)が、 ともに初の四大大会優勝をかけて対戦した。写真は広州国際テニスセンター。

(1 / 2 枚)

2014年9月9日、テニスの全米オープン最終日、男子シングルス決勝が行われ、錦織圭選手とマリン・チリッチ選手(クロアチア)が、 ともに初の四大大会優勝をかけて対戦した。期待が寄せられていた錦織選手は残念ながらチリッチ選手にストレート負けを喫したが、それでもアジアテニス界の誇りであることには変わらない。1989年12月29日生まれのこの若きテニスプレーヤーは、中国男子テニスの発展に多くの示唆を与えてくれる。北京晨報が伝えた。

その他の写真

▼公の場で堂々と夢を語れる選手

錦織選手は全米オープン準決勝で、グランドスラム7回優勝の世界ランキング1位、ノバク・ジョコビッチ選手と対戦し、セットカウント3-1で勝利を収めている。これで、錦織選手は世界ランキング11位からトップ10以内に浮上した。そんな錦織選手はかつて、2011年の上海マスターズでベスト8入りした際の試合後インタビューで「目標は世界一」と笑いながら語っている。当時、この答えを聞いた記者達からは小さな笑いが起きたが、錦織選手はいたって真剣な眼差しをしていた。

日本メディアがこのほど、錦織選手が小学生の時に書いた作文を見つけ出した。それには「夢は世界チャンピオンになること」と書いてあった。錦織選手は2002年3月に松江市立乃木小学校を卒業した時点で、ジュニアや小学生の大会で3回の「日本一」に輝いている。

▼日本テニス協会の「プロジェクト45」が達成

錦織選手の成功は偶然の産物ではなく、日本テニス協会が力を入れて丹念に育成したアイドル級の人材だ。日本テニス協会のいわゆる「プロジェクト45」は、日本の元プロテニスプレーヤー・松岡修造氏がきっかけとなって誕生した。1986年、松岡選手は世界ランキング46位という、男子テニスの日本人最高記録を樹立した。日本テニス協会は、この成績に満足せず、今後より多くの日本人選手がこの順位を追い抜き、日本テニスの発展をけん引してくれるよう願い、「プロジェクト45」を立ち上げた。ソニーなどの大企業がスポンサーとなったこのプロジェクトでは、1990年代より、12歳以下の若い選手を選抜し、米国でのトレーニングなどをサポートしている。

▼中国テニスはまだプロ化の模索中

中国の張択(ジャン・ザー)選手、呉迪(ウー・ディー)選手は今週、上海マスターズのワイルドカード(特別出場枠)獲得を目指し上海でATPツアーに出場しているが、張選手は初戦で敗退、呉選手も第3試合で敗退した。

日本では、世界ランキングでトップ100入りを果たす選手が着実に増えており、150位前後をうろうろしている中国男子テニス選手たちにとってはプレッシャーだ。これは、中国男子テニスが真の意味でプロ化を果たせていないことと関係がある。テニス競技の研究に長年携わってきた南京師範大学スポーツ管理学の楊麟(ヤン・リン)博士は、「テニスは中国におけるプロ化改革の先駆者と言えるが、日本と比べると、人材選抜、青少年のトレーニングなどで体制面の問題が見られる」と語る。

▼日本のテニス人口と層の厚さ

錦織選手の快挙と日本男子テニス界の発展は、一衣帯水の中国にとってプレッシャーであると同時に、励みにもなっている。しかし、テニスの基盤という面から見ると、我々が成功するにはまだまだ長い道のりが必要だ。なぜなら、錦織選手の成功は、選手1人だけの功績ではなく、テニス協会や財団による支援があったためで、選手を取り巻く環境がとりわけ大きな役割を果たしているためだ。

日本にはテニススクールが多く、それぞれ独自のテニスコートを所有し、コーチを招いて育成を行っている。スクールでは、初級、中級、上級クラスが設けられており、各スクールのエリート選手がクラブを結成し、トーナメント大会を定期的に開催している。また、日本の各企業も実業団を結成、メンバーの多くは引退したプロテニス選手や、大学対抗テニス選手権の出場経験者だ。彼らは企業を代表して試合に出場したり、トレーニングを行ったりしている。

青少年の試合、クラブのトーナメント、大学の選手権。年齢やレベルごとの様々な試合が、日本の全テニス人口をつなげている。このような大規模な体制が完備されていたからこそ、錦織選手のような、グランドスラムの決勝の舞台を踏める選手が誕生したのだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携