外資系病院は中国の医療市場を再編するか=金持ち用の病院が増えるだけ?―中国メディア

Record China    2014年9月11日(木) 18時25分

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9日、「外国の病院」がまもなく中国にやって来る。国家衛生・計画出産委員会と中国商務部はこのほど共同で通知を出し、海外の投資家が新規設立または合併買収(M&A)という形で、外資系独資病院の設立を認可すると決定した。写真は北京の病院。

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2014年9月9日、「外国の病院」がまもなく中国にやって来る。中国国家衛生・計画出産委員会と中国商務部はこのほど共同で通知を出し、海外の投資家が新規設立または合併買収(M&A)という形で、北京市、上海市、江蘇省、福建省、広東省、海南省に外資系独資病院の設立を認可すると決定した。外資による独資病院の開設を認めることは、人々に身近な恩恵を与えるだろうか、なかなか医者にかかれないという問題(看病難)は緩和されるだろうか。公立病院のサービス改善をもたらすだろうか。

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▼外資系病院、初お目見え

北京市北東部エリアにある和睦家病院は中国初の中外合弁で設立された医療機関で、すでに16年の歴史がある。これまで北京市、天津市、上海市、杭州市などに支社を設立している。

ドイツで暮らす陳(チェン)さんはこのたび親族訪問で帰国した際、具合が悪くなり、和睦家病院でみてもらった。「公立の病院に比べて、一番印象深かったのは、親身になってくれるところ、プロ意識があるところ、患者を尊重してくれるところだった。静かで清潔な環境、水と紙コップの無料提供、素敵なデザインのパン屋、快適な回転椅子もよかった。ここのサービス水準は、ドイツの病院と大差ない」という。

和睦家病院にかかった患者は、予約システムが非常に細分化されており、待ち時間がほとんどないと話す。

病院職員の冀(ジー)さんは、「公立の病院では、薬剤師は患者に薬を出すだけだが、和睦家病院では、薬剤の薬効、飲み方、副作用の有無などを詳しく患者に伝え、一人の患者への対応に10数分かけるのが普通だ」と話す。

中国には和睦家のような合弁医療機関が数十カ所ある。総合医療機関から美容や口腔のクリニックまで、さまざまな分野をカバーする。だが真の外資系独資病院は、このたび上海市に設立されたドイツ・アルテメッドグループの阿特蒙病院を入れると、国内に3カ所しかない。

▼大きな費用格差

外資系病院は普及するだろうか。多くの人にとって、普及を制約する主な要因は価格だ。

和睦家病院の産婦人科の公告をみると、出産前の検査パックが1万7800元(約30万8000円)、分娩費用は自然分娩が5万6000元(約97万円)、帝王切開が8万元(約140万円)で、公立病院よりはるかに高く、普通の人は遠巻きにみることしかできない。

同病院の外科医の李暘(リー・ヤン)さんは、「和睦家病院で診察する場合、中国の社会保険は使えない。国内の一部の高級商業保険や海外の保険が適用されるだけだ。そこで患者の多くは自費診療になる。当院のサービス対象の多くは、中国で働き、暮らす外国人や中国の高所得層だ」と話す。

中国病院協会の荘一強(ジュアン・イーチアン)副事務局長は、「外資系独資病院が中国の医療システムの中で引き受けるのは、『補足的』な役割だ。中国全体の診療市場に占める割合は大きくない」と話す。北京市衛生・計画出産委員会の鐘東波(ジョン・ドンボー)副主任は、「外国資本が北京市で病院に投資する場合、一般的にいって高級路線が人気で、北京市の高級医療機関不足という現状を変えることができる」と話す。

▼「外国の病院」がたどる道はまだまだ長い

外資系病院のレベルの高い設備、精確な医療技術、優れたサービスは、民間病院や公立病院に積極的な影響を与え、「ナマズ効果」(新たなシステムによって既存の組織を活性化させること)をもたらし、国内の病院を進歩させると考える人は多い。

中山大学付属腫瘤病院画像・低侵襲センターの張衛東(ジャン・ウェイドン)副センター長(医師)は、「全体としていえることは、外資系病院は中国医療市場に一種の促進的役割をもたらすということだ。特に同業者との競争において、外資系病院が歩む路線は国内の病院よりもハイレベルであり、これには患者一人一人に対応したサービスの理念などが含まれる。国内の病院は医療環境の面で外資のレベルに到達するのは難しい。患者が多ければ、面積は狭くなるからだ。だが外資系病院には弱点もある。『外国の病院』が中国に根を下ろしたいなら、まだまだ長い道のりを歩まなければならない」と話す。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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