中国の科学研究チーム、昆虫ロボットの超小型動力技術でブレークスルー

人民網日本語版    2024年5月19日(日) 23時0分

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北京航空航天大学の科学研究チームは超小型動力技術の新たなブレークスルーを達成するとともに、これに基づき昆虫ロボットを研究開発した。

被災後の救助や大型機械設備の点検などのシーンで、昆虫ロボットが大きな可能性を秘めているため、業界はそれに適した高効率動力システムを模索し続けている。北京航空航天大学の科学研究チームは超小型動力技術の新たなブレークスルーを達成するとともに、これに基づき昆虫ロボットを研究開発した。昆虫サイズ(2cm)ロボットの歩行をワイヤレスで制御することを実現した。これに関連する成果はこのほど、国際的学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。新華社が伝えた。

小石の間に置かれたこの四足歩行昆虫ロボットは俊敏で、自在に行き来し、カブトムシのようだ。論文の共同連絡著者で、同大学エネルギー・動力工程学院教授の閻暁軍氏は、「この昆虫ロボットは体長2cm、横1cm、重さは1.76gで、垂直投影面積は爪2枚分。スピーディーに動き、積載量が高く、ワイヤレスで制御できるといった特徴を持つ」と説明した。

サイズは小さいが機能はそろっている。うち動力システムはロボットの「心臓」だ。一般的なロボットは通常モーターで動き、エネルギー供給に対する要求が高いのに対し、超小型ロボットの内部空間は大容量バッテリーを搭載できず、外付けの電線により持続的に給電する必要があり、自由な移動が制限されてしまう。同大学科学研究チームは長年の研究を経て、直線式駆動とフレキシブルヒンジトランスミッション伝動に基づく新型動力システムを開発し、超小型ロボットをモーターと外付けの電線から解放した。

チームのメンバーで同大学助教の劉志偉氏は、「昆虫ロボット内にエネルギー、制御、通信、センサーシステムを埋め込んだ。直線式駆動装置は『体内』の小型電池の電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、機械の振動を出力する。フレキシブルヒンジ伝動機構は機械の振動を昆虫ロボットの足の周期的な振動に変換することで、ロボット全体の高頻度ジャンプ運動を駆動する。分かりやすく言えば、『体内』の超小型電池が電気により磁気を生み、隣の磁石を振動させ、さらに足の関節を動かすということだ」と述べた。

同大学博士課程在学中でチームのメンバーである詹文成氏は、「科学研究チームはさらに走る歩容を設計した。昆虫ロボットの歩行ピッチと歩幅の自動適応調節により、積載量が高い状況下でスピーディーに歩行できるようにした。昆虫ロボットの両足の振動頻度の違いによる制御方法に基づき、移動軌跡の正確な制御実現を打ち出した」と説明した。

閻氏は、「この超小型動力技術の研究開発成功は、超小型ロボットの大規模な開発と応用を推進し、被災後の捜索救助、大型機械設備、インフラ点検などをサポートする見込みだ」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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