2014年8月25日、環球時報は「日本の右傾化が招いた韓国の抗日作品ブーム、バーチャルで両国が開戦」と題した記事を掲載した。

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映画の中で、主人公の李舜臣が言った「将たる者の義理は忠を追わなければならず、忠は民に向かわなければならない」は流行語になった。韓国政界でも「李舜臣旋風」が巻き起こっている。朴槿恵（パク・クネ）大統領をはじめ、与野党の党首、国防省幹部、企業トップらも鑑賞した。

「鳴梁−渦巻く海」が、日本が降伏した8月15日に先立って公開されたのには象徴的意義がある。

韓国海軍士官学校博物館のイ・サンフン企画研究室長は、「日本との関係こう着、不安定な国内の政局、停滞する経済。韓国社会がこうした危機に直面する中、国民は李舜臣のような乱世の英雄に期待を込めている」と分析する。

キム・ハンミン監督は試写会で、「日韓関係が冷え込む中での公開で、反日感情が高まるのではないか」との記者の質問に、「深読みすべきではない。当時の歴史を復元しただけだ」とした上で、「今の韓国には李舜臣の精神が必要だ。彼が生きていたら、国民団結の屋台骨となっていたはずだ」と述べた。李舜臣を演じたチェ・ミンシクも「この作品は、一国の指導者の誤った選択が自国民と周辺国にいかに大きな災難をもたらすかを示している。日本でも公開されることを期待したい。是非は日本人が判断することだ」と語った。

韓国人が心に抱く英雄は李舜臣だけではない。1909年10月26日、初代首相の伊藤博文を狙撃した安重根にも新たな歴史的使命が与えられた。

韓国人小説家キム・ジョンヒョン氏のタイムスリップ小説「安重根、安倍を撃つ」は、現代によみがえった安が、一連の歴史歪曲と右傾化を理由に、日本の現職首相（安倍晋三氏）を狙撃するという内容。作品では、安が伊藤の罪状15カ条を挙げたのになぞらえて、「安倍氏を撃つ理由」として、竹島（韓国名・独島）の領有権主張や歴史教科書の歪曲、河野談話をめぐる動揺など、同様に15の理由を挙げている。

キム・ジョンヒョン氏は今月初めの出版記者会見で、執筆動機について「日本に対し歴史の反省を促すメッセージを発することだ」と語っている。同作はもともと伊藤が凶弾に倒れた10月26日の出版を予定していたが、出版社と相談して8月15日の光復節の前に出版することを決めたという。

同作品は、韓国の民族的英雄を復活させ、日本の現職首相を「義挙」として攻撃するという特異な物語だ。複数の韓国メディアは「韓国の文芸界に巻き起こった抗日民族英雄熱は、日本の右傾化に対する持続的でより深い反撃とみなすことができる」と報じている。（翻訳・編集/NY）