TSMC海外移転加速で「シリコンシールド」が削られる?―香港メディア

Record China    2024年3月9日(土) 9時0分

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6日、香港メディア・香港01は、台湾の半導体大手TSMCが生産拠点を海外に移すことについて、台湾島内では「シリコンシールド」が弱まるのではないかとの懸念が出ていると報じた。写真は台湾。

2024年3月6日、香港メディア・香港01は、台湾の半導体大手TSMCが生産拠点を海外に移すことについて、台湾島内では「シリコンシールド(半導体の盾)」が弱まるのではないかとの懸念が出ていると報じた。

記事は、TSMCの熊本工場が先月24日に開所式を行い、世界が注目したと紹介した上で、台湾国家発展委員会の龔明鑫(ゴン・ミンシン)主任委員が6日に立法院経済委員会で業務報告を行った際に、国民党の謝衣鳳(シエ・イーフォン)立法委員が「日本はTSMCが第2の『黒船』となり、失われた30年の経済を救うことを期待しているが、TSMCが生産拠点の海外移転を続ければ台湾の(中国本土に対する)『シリコンシールド』が弱まるのではないか」と質問したことを伝えた。

そして、龔氏が質問に対して「生産拠点の海外移転ではなく、同期拡張だ。TSMCは台湾工場の拡大を海外以上に進めている上、2ナノや1.4ナノプロセスの先進技術は台湾に残す。今後人工知能(AI)の需要が非常に大きくなり、2〜3ナノ以下のハイエンド技術に対するニーズが高まる。このニーズに応えるのもTSMCによる生産能力拡大のカギであり、高雄や中部科学園(中科)のほか、将来的には嘉義にも実装工場を建設する可能性がある」と回答したことを紹介している。

また、謝氏がさらに「今年の米大統領選によってトランプ氏が大統領に返り咲くことになれば、TSMCに対して米国での工場拡大継続を求めてくるのではないか」と質問すると、龔氏が「TSMCはすでに米国第2工場の建設を発表している。その後については米国での工場建設状況を見て、ということになるだろう」と述べたことを伝えた。

記事は、龔氏が「台湾の土地は貴重であり、全ての生産能力を台湾に留めておくことは難しい。TSMCは国際的なニーズに応えるため、成熟技術の工場を海外に建設しつつ、本土では引き続き先進の製造技術を活用していく」と改めて強調したとしている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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