圧倒的だったサムスンの競争力はどこへ?“失われた10年”の結果に韓国内から懸念の声

Record Korea    2024年2月8日(木) 20時0分

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8日、韓国メディア・韓国経済は「サムスン電子が長年にわたって世界チャンピオンの座を守ってきた半導体メモリとスマートフォン事業に数年前から異常兆候がみられている」と伝えた。写真はサムスンのスマホ。

2024年2月8日、韓国メディア・韓国経済は「サムスン電子が長年にわたって世界チャンピオンの座を守ってきた半導体メモリとスマートフォン事業に数年前から異常兆候がみられている」とし、「李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン会長が司法リスクに巻き込まれた“失われた10年”の間にできたものがサムスンに新たな試練を与えている」と伝えた。

記事によると、半導体メモリの権威者ファン・チョルソンソウル大学碩座教授は、最近のサムスンの半導体(DS)部門について「大変なことが起きているのは確か」「サムスンが手掛ける数多くの事業の中で最も得意とするのはDRAMだが、圧倒的だったその競争力が一気に低下したように見える」「サムスンがさまよっている間にライバル社は急速に成長している」などと評価した。

記事は「サムスンの半導体の技術力については2~3年前から懸念されてきた」とし、「10ナノメートル(ナノは10億分の1、nm)第3世代DRAM(1z nm DRAM)の公開で3位の米マイクロンに先を越され、10nm第5世代DRAM(1b nm DRAM)の開発競争では2位のSKハイニックスに主導権を奪われた」と説明。さらに「昨年からは懸念が現実になった」とし、「生成型AIサービスに欠かせないHMB市場で最大顧客のNVIDIAをSKハイニックスに奪われ2位に転落し、関連の人材が大量にライバル社に流れた」「DRAM1位の座は守っているものの、22年10~12月期に17.6%だったSKハイニックスとの差が昨年7~9月期には4.6%に縮まった」などと伝えている。

また、サムスンのスマートフォン事業についても「かつて600ドル以上のプレミアム市場はサムスンと米アップルの2強体制だったが、現在はアップルが独占(昨年のアップルの売上高シェアは71%、サムスンは17%)している」と説明している。

産業界では、解決策は「技術経営」のみだと指摘する声が上がっているという。記事は「李会長が自由の身となった今、長い目で研究開発(R&D)に投資して製品開発を行い、ライバル社との“超格差”を再び実現しなければならないということ」と説明している。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「文在寅(ムン・ジェイン)政権がサムスン会長を牢屋に入れたせいでこの国は50年後退した」「財閥を罪人として扱った文政権の蛮行の結果」「韓国がサムスンなしに経済規模世界10位を維持することは不可能。これ以上苦しめず、放っておいてあげて」との声が上がっている。

また「政界のせいもあるが、少し違う角度で考えてみると、80~90年代に優秀だった人たちはソウル大学の物理学科と電子工学科へ行き、その人材を磨いてつくりあげたものが今のサムスン電子だ。しかしここ20年は優秀な人がみんな医大へ行っている。R&Dが重要な半導体で後れを取るのは当然のことかもしれない。理工系を卒業した人たちがお金を稼げる社会にしなければ」「こういうのは技術の流出が原因では?技術スパイには10年以上の懲役刑を宣告し、得た金額の10倍の罰金を科すべきだ」との声も見られた。(翻訳・編集/堂本

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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