韓国、半導体の世界的リーダー目指し数百兆ウォン投じてメガクラスター構築へ―独メディア

Record Korea    2024年1月30日(火) 6時0分

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独ドイチェ・ヴェレはこのほど、韓国について「半導体の世界的なリーダーになるために、数百兆ウォンを投じて半導体メガクラスターを構築しようとしている」とする記事を掲載した。資料写真。

独ドイチェ・ヴェレはこのほど、韓国について「半導体の世界的なリーダーになるために、数百兆ウォンを投じて半導体メガクラスター(集積地)を構築しようとしている」とする記事を掲載した。

記事はまず、韓国が大手エレクトロニクス企業のサムスン電子やSKハイニックスと提携して、2047年までに計622兆ウォン(約68兆8000億円)を投資し、ソウルの南に世界最大の半導体クラスターを構築する計画であること、この計画を支援するために、政府が投資に対する税制上の優遇措置や競争力を高める取り組みなどの措置を提案していること、韓国は半導体生産に必要な材料、部品、設備の自給率を現在の30%から50%に高めようとしていること、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、この野心的なメガクラスターが350万近い雇用を生み出すことが見込まれるとし、半導体部門のエネルギー需要を満たすために原子力エネルギーを拡大する必要性を強調したこと、韓国は現在、PC、スマートフォン、SDカードなどのデバイス上のデータの管理や保存に使用されるDRAMおよびNANDメモリチップの生産を支配しており、世界市場シェアは60%を超えていることなどを紹介した。

さらに、半導体クラスターとは半導体の研究や製造工程を一つのエリアで行う施設群のことで、韓国の計画では総面積はサッカー場約3万個分に相当する2万1000ヘクタールに上り、47年までに既存の19の生産施設を補うためにさらに16の生産施設を増設予定で、うち3つの工場と2つの研究工場は27年までに完成予定であること、産業通商資源部によると、サムスン電子とSKハイニックスは30年までに国内で月産710万枚のウエハーを生産する計画であること、産業通商資源部の安徳根(アン・ドックン)長官が「半導体メガクラスターの建設が早期に完了すれば、この分野で世界有数の競争力を実現し、若い世代に質の高い雇用を提供できるだろう」と述べたこと、サムスン電子はこのプロジェクトに500兆ウォン(約55兆2900億円)を投資する予定で、うち360兆ウォン(約39兆8800億円)をソウルの南33キロに位置する龍仁市での6つの生産施設建設に、120兆ウォン(約13兆2800億円)をソウルの南54キロに位置する平沢市の工業団地での3つの工場建設と龍仁市器興区での3つの研究工場建設にそれぞれ割り当てること、世界第2位の半導体メーカーであるSKハイニックスも龍仁市に4つの工場を建設するために122兆ウォン(約13兆5100億円)を投じる予定であることを伝えた。

記事はその上で、「韓国は長期的なクラスター計画により、半導体産業の気候変動に対応している。韓国は、中国と米国の力比べで自国の半導体産業の重要性を失う危険があるとみている。22年に韓国は国の輸出の約19%を占める1290億ドル(約19兆1000億円)相当の半導体製品を輸出した。生産の減少は経済に大きな打撃を与えることになる」とし、「韓国が半導体の最前線にあることは、経済的な機会を生み出す一方で、企業を脆弱にしている」とする米ワシントンにある韓国経済研究所のシニアディレクター、トロイ・スタンガロン氏の見方を伝えた。

記事はさらに、サムスン電子が米テキサス州に170億ドル(約2兆5100億円)規模の半導体工場を建設しているのは、米国が「CHIPS・科学法」により527億ドル(約7兆8000億円)の補助金を出して半導体生産施設の整備を推進しているためであること、米国が半導体輸出を厳しく制限したことを受けて、中国は国内半導体産業の発展を推進していること、台湾積体電路製造(TSMC)とソニーのプロセッサ工場の新しいクラスターが日本の九州に建設されていること、OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が人工知能(AI)の開発と応用のために半導体の生産者を探していることなどにも触れた。

記事は「韓国の製造業者はこれまで、無期限の特別許可のおかげで米国の規制を免除されており、中国への設備や機械の輸出が許可されている。西安にあるサムスンのNANDメモリチップ工場と大連にあるSKハイニックスのNAND工場はこの恩恵を受けている。しかし、中国での生産に対する韓国の疑念は高まっている。SKハイニックスは24日、20年12月に米インテルから90億ドルで買収したばかりの大連工場を売却する計画があることを再度否定せざるを得なかった」とし、「市場調査会社ブルームバーグ・インテリジェンスによると、米国は半導体の供給・生産チェーンの10段階のうち、エッチング、コーティング、ドーピングなど5段階を押さえ、日本とオランダはウエハー洗浄やリソグラフィーなど残りの分野を押さえている。半導体メーカーとしての韓国の重要な役割は、主に米国とその同盟国の技術、材料、専門知識に依存している。韓国メーカーは国内生産を強化するために米国企業との協力に注力している」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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