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中国最高人民法院(最高裁)は弁護士ら専門家の批判を受けて「司法の情報公開を深化する」と発表。米国の専門家は「改革派の声が少なくとも一部で上がっている」との見方を示した。
中国最高人民法院(最高裁)は判決文のデータベースへのアクセスを制限する計画に対し、弁護士らの専門家から批判が出ていることを受けて「司法の情報公開を深化する」との声明を発表した。ロイター通信が伝えた。米国の専門家は「改革派の声が少なくとも一部で上がっている」との見方を示した。
ロイター通信によると、中国では現在、裁判所が下した判決文を公開したオンライン・データベース「中国裁判文書網」があり、1億4300万件の裁判所文書が掲載されている。最高人民法院は昨年12月、新たなデータベースを構築し、2000件強の判決を学者、弁護士らの専門家が閲覧できるようにする計画を公表した。
最終的には新たなデータベースが中国裁判文書網に取って代わるとみられ、ソーシャルメディアなどで批判が出ていた。中国裁判文書網は10年前に立ち上げられ、中国内外の弁護士や活動家、不動産やビジネスをめぐるトラブルに巻き込まれた一般市民、人権団体などに利用されている。
計画に対しては批判が相次いだことから、最高人民法院は1月15日、声明を発表。新たなデータベースに掲載する判決文を増やす必要があるとし、高等裁判所の判決文など「法的ガイダンス、教育、警告目的の全ての文書」をオンラインに掲載しなければならないと述べた。その一方で「文書の公開と当事者の法的権利・プライバシー保護の間でバランスを取る必要がある」としている。
米ジョージタウン大学アジア法律センターのエグゼクティブディレクター、トム・ケロッグ氏は最高人民法院の声明を「歓迎」するが、「恐らく現行政策から大きな変更はないだろう」と指摘。中国国内の有力な法学者らが情報開示の制限に反発していることについては「情報公開を求める改革派の声が少なくとも一部で上がっていることを示している」と語った。
米ジョージ・ワシントン大学ロースクールのドナルド・クラーク教授は「当局が人々の教化に適切だと判断した文書のみがオンラインで公開される。これはわれわれ全員が恐れていることだ」と述べた。
公式データによると、オンラインで公開された判決文の数は2020年の1920万件から22年には1040万件に減少した。最高人民法院によると、昨年はさらに減少し、12月下旬時点で511万件となっている。
21年以降は死刑や国家安全保障に関する判決のほか、政府の政策を批判した人に適用されることが多い「けんかを売り、トラブルを引き起こした」罪に関する判決文が中国裁判文書網から削除されているという。(編集/日向)
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