中国で「異性のトイレに入ってしまう問題」が続出、解決するには?―中国メディア

Record China    2024年1月27日(土) 14時0分

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中国中央テレビ(CCTV)のニュースサイト・央視新聞は24日、中国で物議を醸すトイレマークの問題について「実用性とデザイン性はどのように両立すべきか」との記事を掲載した。

中国中央テレビ(CCTV)のニュースサイト・央視新聞は24日、中国で物議を醸すトイレマークの問題について「実用性とデザイン性はどのように両立すべきか」との記事を掲載した。

中国では先日、あるデパートのトイレの男女のマークが分かりづらかったことから、男性が誤って女子トイレに入ってしまい騒動となった。その後、デパートは謝罪し、マークの変更を行った。中国のトイレでは近年凝ったデザインのマークが増え、中には男女の区別が難しいものも少なくない。

例を挙げると、「下半身を表す三角形の下の部分がないのが男性、あるのが女性」というマークや、「縦に長い長方形が若干くびれているのが女性、くびれていないのが男性」というマーク、「〇と線で表現された人体が立っているように見えるのが男性、座っているように見えるのが女性」というマーク、「動物が横向きに排泄しているのが男性、下向きに排泄しているのが女性」というマークなど。

記事によると、安徽省在住の女性は「以前、深セン市のデパートに行ったが、そこのトイレのマークが抽象的で分かりづらかった。どちらの性別の人がどちらに入っていくかをしばらく観察してからようやく入ることができた」と語り、上海市在住の男性も「トイレの標識が分かりづらく誤って女子トイレに入ってしまったことがあった。男性用の小便器がないのを見てすぐに引き返したが、気まずかった」と語った。

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こうした声は少なくないといい、ネット上では「図形化された標識には良さがあり、創造性と美的表現を追求するデザイナーの考えは評価すべき」との声がある一方、「なぜ“男”“女”とはっきり書いて区別するのではいけないのか」との声も上がっている。

記事によると、中国にはトイレなどの公共施設のピクトグラム(標識)の「推奨基準」はあるものの強制ではない。「標識用公共情報図形符号第一部:通用符号」では、公衆トイレのマークについて「スーツを着た男性とスカートを着た女性で、色は黒、青、茶」と推奨されている。2016年には「都市公共トイレ設計基準」が制定されたものの、上記の基準は必要要件として求められていないという。

なぜ、現在のマークはこれほど複雑かつ抽象的になっているのか。デザイナーの劉雲海(リウ・ユンハイ)氏は「誤解を招く標識はショッピングモールや飲食店などに多く、デザイン性が実用性にしばしば勝っている。元は(男女の)服装からデザインされるが、より抽象的になり、特に高齢者には分かりづらくなっている」と指摘。別のデザイナーの丁璐(ディン・ルー)氏は依頼者からの要望が背景にあることを明かし、「ユニークな店だと独自のスタイルで一風変わったデザインを求めるため、結果としてさまざまなマークが登場することになる」と語った。

浙江省の広告会社の担当者である洪麗(ホン・リー)氏は「一般的には視認性の高いものが採用されるが、顧客の中には個性を求める人もいる。極端にシンプルなデザインは確かに分かりにくい。材質について要望があることもあり、硬度が高く加工が難しい材質だと、デザインはよりシンプルにせざるを得ない」と語った。

首都経済貿易大学都市経済・公共管理学院の趙秀池(ジャオ・シウチー)教授は「公衆トイレの標識は目立つものであるべきで、新しさだけを追求してはならない。トイレは都市インフラの一部であり、関連部門は統一した基準を制定した方が良い。文字の表示は必ずあるべきで、基本的な基準にのっとった上で個性を出すデザインにするのが望ましい」と述べた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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