海南省で世界初の商用海底データセンターが稼働、デジタル経済発展の基礎を下支え―中国

人民網日本語版    2024年1月17日(水) 15時30分

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海南省で世界初の商用海底データセンターが稼働を開始した。

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海南省陵水リー族自治県英州鎮清水湾の海面に浮かぶ起重機船から伸びるクレーンが、重さ1300トンの「海底データキャビン」をゆっくりと降ろすと、35メートル下の海底に沈んでいった。人民日報が伝えた。

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海底データセンター海南モデル開発プロジェクトの蒲定(プー・ディン)総経理は、「海底専属クラウドデータキャビンが順調に海底に沈められ、海南陵水商用海底データセンター第1期モデルプロジェクトのデータキャビンの設置が完了した。2023年12月31日に、専属クラウドデータキャビンの第一陣業務の通電が順調に実施され、調整も終わった。第一期プロジェクトは完成し、現在、安定して稼働している」と説明する。


海南陵水商用海底データセンターは世界初の商用海底データセンタープロジェクトだ。では、なぜデータセンターを陸から海へと移したのだろうか?

蒲総経理によると、データセンターのサーバーは稼働の過程で、大量の熱を放出するため、エアコンなどの冷却システムを通して温度を下げなければならず、大量の電気エネルギーと淡水資源の下支えが必要となる。海底データセンターは、海水を自然の冷却システムとしているため、エネルギー消費量を削減できるというのが最大のメリットとなる。また、淡水資源をほとんど使う必要がないため、より高い電力密度をサポートすることができ、計算能力向上にもつながる。

今回設置されたデータキャビンの重さは1300トン以上で、小型自動車1000台の重さに匹敵する。計算能力を見ると、今回設置されたサーバーは、陸地のサーバールームよりも密度が高く、一つのサーバーキャビネットに設置できるサーバーは、十数台から20台以上に増えているため計算能力が高まっており、海底データセンターの性能の高さと優位性を発揮している。

計画では海南陵水商用海底データセンターに、キャビン100基が設置されることになっている。完成すると、陸地の同等規模の従来型データセンターと比べて、消費電力を年間1億2200万kW/h削減できるほか、用地面積を6万8000平方メートル、使用する淡水を10万5000トン減らすことができる。

プロジェクトの建設を担当する海蘭雲数据中心科技の李家文(リー・ジアウェン)副総経理は、「今回設置した専属クラウドキャビンは、海底のスーパーコンピューターのようで、従来のコンピューター6万台分が同時に動作しているのと同等の計算能力となり、30秒以内に400万枚以上の高解像度画像を処理することができる。データキャビンを海底に設置する前に、当社は三亜崖州湾科技城や拓爾思といった機関や企業と契約した。その契約数は全体の50%以上となっている」と説明した。

海底データセンタープロジェクトの稼働が始まり、陵水県も産業構造の構築を積極的に進めている。同県党委員長の呉海峰(ウー・ハイフォン)書記は、「陵水海底データセンターモデルプロジェクトでは、『計算能力の優位性+データ国外移転+ローカルシーン+人材供給』という産業ロジックを通して、資本やイノベーションの要素を呼び込み、陵水産業のモデル転換の重要な下支えとなることができるよう取り組む」としている。

海蘭雲数据中心科技の蘇陽(スー・ヤン)業務執行取締役(ED)は、「海南自由貿易港の建設により、オフショアデータセンターのニーズが高まっている。海底データセンターは、デジタル経済の発展の基礎を下支えすることができるほか、海南自由貿易港において安全で、秩序に基づいたデータの国外移転を確保できるようバックアップする」としている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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