能登半島地震を喜ぶことは文明に対する冒涜―中国専門家

Record China    2024年1月17日(水) 17時0分

拡大

華字メディアの日本華僑報は16日、「日中関係の中の文明と野蛮」と題する文章を掲載した。

華字メディアの日本華僑報は16日、「日中関係の中の文明と野蛮」と題する文章を掲載した。著者は北京大学国際関係学院の梁雲祥(リアン・ユンシアン)教授。

梁氏はまず、「新年早々、世界の動揺が止まらない」とし、元日に発生した能登半島地震に言及。「奇しくも日本の隣国である中国では2023年12月に甘粛省で大きな地震を経験していた」とし、「自然災害を前にしては人類はみな被害者であり、国と国の間では災害に直面した時に互いに助け合うことが一般的で、被災者に同情の念を抱き、救いの手を差し伸べることが、人類が長きにわたり形成してきた文明の習慣である」と述べた。

その上で、「今回の地震について中国政府や主要メディアは同情を寄せているが、同時に、地震発生の翌日に中国国内のあるアナウンサーが動画の中で『報いだ』と発言する出来事もあった。今回の災害を喜ぶような意味合いだ」と指摘。「このアナウンサーは翌日に停職処分となったが、不思議なことに彼は一部の人々から称賛や喝さいを浴び、逆に名を上げることになった」とし、「このことから分かるのは、日本に対する恨みのあまり、自然災害を喜ぶ気持ちを表現する人が一定数いるということだ」と論じた。

そして、「その原因にはもちろん、日本がかつて中国を侵略したことや現在の日中関係の対立がある。たとえば、日本の一部の人の誤った歴史認識、領土紛争と安全保障上の相互不信、最近の福島第一原発の核廃水(処理水)問題などが中国人の日本への憎悪を引き起こしている」とする一方、「両国の戦争からすでに70年以上が過ぎ、すでに数十年前に関係を正常化している。さらに言えば(戦後に)蜜月期まであった。たとえ現実的な利益において衝突があったとしても、両国関係は不倶戴天ほどひどくなっているわけではない。それなのに、残念な声がまだ出てくるのだ」と嘆息した。

梁氏は、「こうした現象が起こるのは社会の文明レベルと関係があると言うべきで、既存の国際社会では国同士の関係にかかわらず、まず人道的配慮が必要であり、たとえ戦争状態でも民間人に危害を加えてはならない。相手が真の敵だとしても呪いや自然災害で相手に打ち勝つことはできない」と指摘。「かつての日本による侵略はもちろん反文明的な野蛮行為であるが、それは政治や軍事によって対抗すべきものであり、天罰を期待するような方法で行うことではない。ましてや、今日の両国関係は戦争状態でもなく、自然災害に直面した時は互いに思いやり、見舞うことこそが正しいのだ」と訴えた。

そして、「他者が自然災害に見舞われた時、その不幸を喜ぶことは文明に対する冒涜(ぼうとく)であり、偏狭で野蛮な心を誇示することにほかならない。たとえ相手が嫌いで恨みがあったとしてもそのような態度をとるべきではない」とし、「両国関係がどう変化していくかにかかわらず、より文明的で非野蛮的な基礎の上でこそ発展することができるし、それこそが両国国民にとっての真の利益になるのだ」と論じた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携